結論:予告は30日前、足りない日数は平均賃金で払う
確認日は2026-10-17です。条文と厚生労働省の解説で確かめられたことは次の5点です。
- 労働基準法第20条第1項は、使用者は労働者を解雇しようとする場合、少なくとも30日前に予告しなければならず、30日前に予告をしない使用者は30日分以上の平均賃金を支払わなければならない、と定めています。
- 厚生労働省のリーフレットは、予告の日数が30日に満たない場合は、その不足日数分の平均賃金(解雇予告手当)を支払う必要があるとしています。同条第2項は、1日について平均賃金を支払えば予告の日数を短縮できるとしています。
- 予告の規定が適用されない労働者があります(同法第21条)。また、労働者の責めに帰すべき事由による解雇などは、所轄の労働基準監督署長の認定を受けた場合に限り、予告が不要になります。
- 予告をしても、解雇が有効になるとは限りません。労働契約法第16条は、解雇が客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当と認められない場合は、権利の濫用として無効とすると定めています。
- 相談先は、法令違反が疑われる場合は労働基準監督署、解雇の有効性など民事の問題は都道府県労働局の総合労働相談コーナーです。
辞める側の手続きは美容師の退職時の離職票と失業給付で、相談窓口の全体は美容所の運営の相談先・所管早見表で整理しています。このページは、個別の解雇が有効か無効かを判断しません。
解雇予告のルール(労働基準法第20条・第21条)
| 項目 | 条文・厚生労働省の記載 |
|---|---|
| 原則 | 少なくとも30日前に予告する。予告をしない場合は、解雇と同時に30日分以上の平均賃金(解雇予告手当)を支払う(第20条第1項) |
| 日数の数え方の例 | 3月31日付けの解雇なら、遅くとも3月1日に予告が必要(予告日は予告日数に入れない) |
| 予告と手当の組み合わせ | 1日について平均賃金を支払った日数分、予告の日数を短縮できる(第20条第2項) |
| 予告が要らない場合 | 天災事変その他やむを得ない事由で事業の継続が不可能となった場合、労働者の責めに帰すべき事由に基づいて解雇する場合。いずれも所轄の労働基準監督署長の認定が必要(第20条第1項ただし書・第3項) |
| 予告の規定が適用されない労働者(第21条) | 日々雇い入れられる者(1か月を超えて引き続き使用されたときを除く)、2か月以内の期間を定めて使用される者、季節的業務に4か月以内の期間を定めて使用される者(いずれも定めた期間を超えて引き続き使用されたときを除く)、試用期間中の者(14日を超えて引き続き使用されたときを除く) |
| 平均賃金の原則 | 事由の発生した日(賃金締切日がある場合は直前の賃金締切日)以前3か月間に支払われた賃金の総額を、その期間の総日数(暦日数)で割った金額。日給・時間給などで労働日数が少ない場合は、最低保障額の定めがある |
解雇できない期間・理由の証明・申告
| 項目 | 条文の記載 |
|---|---|
| 解雇制限(第19条) | 業務上負傷し、または疾病にかかり療養のために休業する期間とその後30日間、産前産後の女性が休業する期間とその後30日間は解雇してはならない。ただし、打切補償を支払う場合や、天災事変その他やむを得ない事由で事業の継続が不可能となった場合(行政官庁の認定が必要)は除く |
| 解雇権の濫用(労働契約法第16条) | 解雇は、客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められない場合は、権利を濫用したものとして無効 |
| 解雇理由の証明(第22条) | 退職の場合に、退職の事由(解雇の場合はその理由を含む)について労働者が証明書を請求したときは、使用者は遅滞なく交付する。解雇の予告がされた日から退職の日までの間も、解雇の理由について証明書を請求できる |
| 監督機関への申告(第104条) | 事業場に労働基準法またはこの法律に基づく命令に違反する事実がある場合、労働者はその事実を行政官庁または労働基準監督官に申告できる。使用者は申告したことを理由に解雇その他の不利益な取扱いをしてはならない |
妊娠・出産を理由とする解雇などの禁止は妊娠中・産後の美容師の就業制限に、業務上の手荒れでの休業は美容師の手荒れ・皮膚障害と労災・労働にあります。
雇止め・退職勧奨を受けたとき(厚生労働省の記載)
| 場面 | 厚生労働省・条文の記載 |
|---|---|
| 有期契約の雇止め | 契約が更新されないことを雇止めという。労働契約法第19条は、過去に反復して更新され解雇と社会通念上同視できる場合や、更新への合理的な期待がある場合に、更新の申込みの拒絶が客観的に合理的な理由を欠き社会通念上相当でないときは、従前と同一の条件で申込みを承諾したものとみなすと定めている |
| 雇止めの予告 | 契約を3回以上更新した場合などは、少なくとも契約期間の満了する日の30日前までに更新しない旨を予告する(有期労働契約の締結、更新及び雇止めに関する基準・平成15年厚生労働省告示第357号)。あらかじめ更新しない旨が明示されているものは除く |
| 退職勧奨 | 労働者自身の意思で退職するよう勧めるもので、応じて退職することも、断って勤め続けることも労働者が自由に選べる。手段・方法が社会通念上相当と認められる範囲を超えて退職を強要する行為は違法とされ、執拗な場合は総合労働相談コーナーなどの公的な相談機関への相談を勧めている |
| 退職願の撤回 | 合意退職の申込みは、使用者が承諾するまでは撤回できる。承諾後や任意退職の申入れの後は、会社の同意が必要とされる |
相談先の使い分け
| 相談したい内容 | 窓口と厚生労働省の記載 |
|---|---|
| 賃金・労働時間・解雇などの法令違反 | 労働基準監督署。労働基準法に関する問題は労働基準監督署で相談できる |
| 法令に直接違反しない解雇・労働条件の変更、どの分野か分からない労働問題 | 都道府県労働局・労働基準監督署内などに設けられた総合労働相談コーナー(378か所)。解雇、雇止め、配置転換、賃金の引下げなどが対象で、予約不要・無料。土・日・祝日・年末年始は閉庁。助言・指導やあっせんの案内もある。労働基準法等の違反の疑いがある場合は、労働基準監督署等の担当部署に取り次ぐ |
| 退職、解雇、雇止めの効力など民事的な問題 | 都道府県労働局の総合労働相談コーナー |
窓口の電話番号や受付時間は、厚生労働省の検索サイトで地域から調べられます。
確認できたことと、できていないこと
| 論点 | 状態 | 根拠 |
|---|---|---|
| 解雇予告(30日前・30日分以上の平均賃金)、短縮、適用除外 | 確認できた(2026-10-17) | 労働基準法第20条・第21条、厚生労働省リーフレット |
| 解雇制限、解雇理由の証明、申告と不利益取扱いの禁止 | 確認できた(2026-10-17) | 労働基準法第19条・第22条・第104条 |
| 解雇権の濫用 | 確認できた(2026-10-17) | 労働契約法第16条 |
| 退職勧奨・雇止めの考え方と相談先 | 確認できた(2026-10-17) | 厚生労働省「確かめよう労働条件」 |
| 美容所に特有の解雇の取扱い | 未確認 | 美容業を名指しした公式の記述は確認しておらず、一般の労働法のルールとして整理している |
| 面貸し・業務委託の人に労働基準法の予告が及ぶか | 未確認 | 労働者に当たるかの個別判断による。判断基準は面貸し・業務委託の美容師の労働者性 |
| 個別の解雇の有効・無効、予告手当の金額 | 判断しない | 個別の事情と平均賃金の算定によるため。労働基準監督署・総合労働相談コーナーで確認が必要 |
参照した公式資料
- e-Gov法令検索「労働基準法」(第19条・第20条・第21条・第22条・第104条)
- e-Gov法令検索「労働契約法」(第16条・第19条)
- 厚生労働省「リーフレットシリーズ 労基法20条」(解雇予告)
- 厚生労働省「確かめよう労働条件」退職、解雇、雇止めなど
- 厚生労働省「総合労働相談コーナーのご案内」
- 厚生労働省「労働基準行政の相談窓口」
確認日2026-10-17。条文はe-Gov法令検索で、解説は厚生労働省の公式ページとリーフレットを原文で確認しました。個別の解雇が有効かどうかは判断せず、手続きの前に労働基準監督署または総合労働相談コーナーで確かめてください。
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よくある質問
美容室で突然解雇を告げられたら、予告手当はもらえますか?
労働基準法第20条は、少なくとも30日前の予告か、30日分以上の平均賃金の支払いを使用者に求めています。ただし、試用期間中の人など予告の規定が適用されない場合や、労働基準監督署長の認定を受けた例外があります。個別の可否は判断しません。
退職勧奨を断ることはできますか?
厚生労働省は、退職勧奨に応じるかどうかは労働者が自由に選べるとしています。手段・方法が社会通念上相当な範囲を超えて退職を強要する行為は違法とされ、執拗な場合は総合労働相談コーナーなどへの相談を勧めています。
解雇や雇止めの相談はどこにすればよいですか?
厚生労働省によると、法令に直接違反しない解雇などの相談や、どの分野か分からない労働問題は、都道府県労働局などの総合労働相談コーナーが予約不要・無料で受けています。労働基準法違反の疑いがある場合は労働基準監督署です。