結論:時効は当分の間3年、申告は労働基準監督署
確認日は2026-10-23です。条文と厚生労働省のリーフレットで確かめられたことは次の5点です。
- 労働基準法第24条は、賃金は通貨で、直接労働者に、その全額を支払わなければならず、毎月1回以上、一定の期日を定めて支払わなければならないと定めています(法令などに別段の定めがある場合を除く)。
- 賃金請求権の消滅時効は、2020年4月1日以降に支払期日が到来する賃金について、賃金支払期日から5年に延長されつつ、当分の間は3年とされています(厚生労働省のリーフレット)。時間外・休日労働等の割増賃金(第37条)も対象です。
- 賃金台帳などの記録の保存期間(第109条)と付加金の請求期間(第114条)も、5年に延長されつつ、当分の間は3年とされています。
- 労働基準法に違反する事実がある場合、労働者は労働基準監督官または行政官庁に申告でき、使用者は申告を理由に解雇その他の不利益な取扱いをしてはなりません(第104条)。
- 賃金、労働時間、解雇などの法令違反について相談したいときの窓口は、労働基準監督署です。
割増賃金の計算と36協定は美容所の残業・休日・深夜の割増賃金と36協定で、賃金台帳の備え付けは美容室の開業前チェックリストで整理しています。理容師の残業手当がどの条文で決まるかは理容師の残業手当も同じ労働基準法で決まるの節にまとめています。このページは、未払いの有無や金額を判断しません。
時効・記録の保存期間・付加金(厚生労働省のリーフレット)
| 項目 | 旧法 | 現行法 |
|---|---|---|
| 賃金請求権の消滅時効期間(労働基準法第115条) | 2年 | 5年(当分の間は3年) |
| 賃金台帳などの記録の保存期間(第109条) | 3年 | 5年(当分の間は3年) |
| 付加金の請求期間(第114条) | 2年 | 5年(当分の間は3年) |
- 対象は、2020年4月1日以降に支払期日が到来する賃金です。時効は賃金支払期日から数えます。
- 時効期間延長の対象は、賃金の支払(第24条)、休業手当(第26条)、時間外・休日労働等に対する割増賃金(第37条)、年次有給休暇中の賃金(第39条第9項)などです。
- 退職金請求権(従来から5年)などの消滅時効期間に変更はありません。
- 付加金は、第20条(解雇予告手当)、第26条(休業手当)、第37条(割増賃金)に違反した使用者、または第39条第9項(年次有給休暇中の賃金)の賃金を支払わなかった使用者に対し、裁判所が、労働者の請求により、未払金のほか同一額の支払を命じることができるものです(第114条)。
e-Govの条文本則(第115条・第109条・第114条)は「5年」と書かれています。「当分の間3年」とする経過措置は附則第143条にあり、第109条と第114条ただし書は「5年」を「3年」と読み替え、第115条は賃金(退職手当を除く)の請求権を3年と読み替えると書かれています(e-Gov法令検索で確認)。厚生労働省のリーフレットと「確かめよう労働条件」のQ&Aの記載とも合っています。
払われなかったときの動き方(条文と窓口)
| 段階 | 条文・厚生労働省の記載 |
|---|---|
| 記録を確かめる | 使用者は、労働者名簿、賃金台帳、雇入れ・解雇・賃金その他労働関係に関する重要な書類を保存しなければならない(第109条)。保存期間は上表のとおり |
| 相談する | 賃金、労働時間、解雇などの法令違反などについて相談したいときは労働基準監督署。法令に直接違反しない労働条件の問題や、どの分野か分からないときは総合労働相談コーナー |
| 申告する | 事業場に労働基準法に違反する事実がある場合、労働者はその事実を行政官庁または労働基準監督官に申告できる。申告を理由とする解雇その他の不利益な取扱いは禁止(第104条) |
| 電話で相談する | 厚生労働省の相談窓口の案内に「労働条件相談ほっとライン」(委託事業)と労働基準監督署チャットボットが載っている |
労働基準監督署の所在地と電話番号は、厚生労働省の検索サイトで地域から調べられます。申告の書式や受付の流れはこのページでは確認していません。
確認できたことと、できていないこと
| 論点 | 状態 | 根拠 |
|---|---|---|
| 賃金支払の原則(通貨・直接・全額・毎月1回以上・一定期日) | 確認できた(2026-10-23) | 労働基準法第24条(e-Gov法令検索) |
| 賃金請求権の時効が5年、当分の間は3年 | 確認できた(2026-10-23) | 厚生労働省リーフレット、確かめよう労働条件Q&A |
| 賃金台帳などの保存期間、付加金の請求期間 | 確認できた(2026-10-23) | 同リーフレット、労働基準法第109条・第114条 |
| 労働基準監督署への申告と不利益取扱いの禁止 | 確認できた(2026-10-23) | 労働基準法第104条 |
| 附則の「当分の間」の条文そのもの | 確認できた(2026-10-23) | 労働基準法附則第143条(e-Gov法令検索) |
| 申告の具体的な書式・受付の流れ・調査の結果 | 未確認 | 厚生労働省の相談窓口の案内を確認したが、手続きの詳細ページは確認していない |
| 面貸し・業務委託の人に労働基準法の賃金規制が及ぶか | 未確認 | 労働者に当たるかの個別判断による。判断基準は面貸し・業務委託の美容師の労働者性 |
| 個別の未払いの有無・金額・請求の可否 | 判断しない | 労働時間の実態や就業規則、賃金台帳の内容によるため |
参照した公式資料
- e-Gov法令検索「労働基準法」(第24条・第104条・第109条・第114条・第115条)
- 厚生労働省「未払賃金が請求できる期間などが延長されています」
- 厚生労働省「確かめよう労働条件」賃金請求権の消滅時効は、どのように変更されたのでしょうか?
- 厚生労働省「労働基準行政の相談窓口」
- 厚生労働省「総合労働相談コーナーのご案内」
確認日2026-10-23。条文はe-Gov法令検索で、時効などは厚生労働省のリーフレットとQ&Aを原文で確認しました。経過措置の期間は見直されることがあるため、請求の前に労働基準監督署で現行の扱いを確かめてください。
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よくある質問
美容室の未払い残業代は何年前までさかのぼれますか?
厚生労働省のリーフレットによると、賃金請求権の消滅時効は賃金支払期日から5年に延長されつつ、当分の間は3年です。割増賃金も対象です。個別の請求の可否や金額は、このページでは判断しません。
賃金が払われないとき、どこに申告しますか?
労働基準法第104条は、労働基準法に違反する事実がある場合、労働者が労働基準監督官または行政官庁に申告できると定めています。厚生労働省は、賃金などの法令違反の相談先として労働基準監督署を挙げています。
申告したことを理由に解雇されることはありますか?
労働基準法第104条第2項は、使用者が申告をしたことを理由に、労働者に対して解雇その他不利益な取扱いをしてはならないと定めています。不利益な取扱いを受けた場合も、労働基準監督署などに相談できます。