外国の資格を日本の免許とみなす規定の有無(美容師法・施行規則)
外国で美容師の資格を持っている人が、その資格のまま日本の美容師免許を受けられるかを、法令の原文で確かめました。美容師法の本則51条を「外国」という語で検索すると、該当する条は0件です。美容師法施行規則の本則33条では、「外国」を含む条は第19条(美容所の開設の届出)だけで、免許や試験の条文には出てきません(e-Gov法令検索で2026年10月6日に確認)。
つまり、法令の条文を読むかぎり、外国の資格や外国の養成機関での修了を、日本の試験の免除や免許の取得に結びつける規定は書かれていません。美容師になる道は、国籍を問わず次の流れです(美容師法第3条・第4条・第5条の2)。
- 都道府県知事が指定した美容師養成施設で、決められた期間以上、知識と技能を修得する。
- 厚生労働大臣が行う美容師試験に合格する。
- 合格後に申請して、美容師名簿への登録(免許)を受け、免許証の交付を受ける。
この流れの修業年数や試験の課目は美容師免許の取得条件で整理しています。なお、このページが確かめたのは法令の条文までです。省庁の運用や個別の取り扱いで、条文にない配慮があるかどうかは確認できていません。個別の事情がある場合は、厚生労働省や入学を考えている養成施設にご確認ください。
受験・免許の条件に国籍があるか(第3条・第4条)
美容師法第3条は、試験に合格した人が厚生労働大臣の免許を受けて美容師になれると定めています。免許を与えないことがある場合は、次の3つです(同条第2項)。
| 免許を与えないことがある人 |
|---|
| 心身の障害により美容師の業務を適正に行うことができない人として、厚生労働省令で定めるもの |
| 第6条の規定に違反した人 |
| 第10条第3項の規定による免許の取消処分を受けた人 |
受験の条件を定める第4条第3項も、書かれているのは「学校教育法第90条に規定する者であること」と「指定を受けた養成施設で期間以上修得していること」で、国籍の条件はありません。それぞれの内容は美容師免許の欠格事由で扱っています。
外国で高校に当たる課程を修めた人の受験資格(学校教育法第90条)
受験の条件の1つは、学校教育法第90条に規定する者であることです(美容師法第4条第3項)。第90条第1項は、大学に入学できる人として、高等学校などを卒業した人、通常の課程による12年の学校教育を修了した人、文部科学大臣の定めるところにより同等以上の学力があると認められた人を挙げています。
この「同等以上の学力」の中身は、学校教育法施行規則第150条が定めています。その第1号は、外国において学校教育における12年の課程を修了した人、またはこれに準ずる人で、文部科学大臣が指定したものです。この条文は大学への入学を前提に書かれています。外国の課程を修めた人が美容師養成施設に入学できるかどうかは、このサイトでは判断しません。入学を考えている養成施設に、どの書類で確認されるかを問い合わせてください。
免許の申請で外国籍の人が出す書類(住民票の写し・旅券)
合格後の免許の申請は、様式第一の申請書を厚生労働大臣に出して行います(施行規則第1条)。添える書類のうち、身分を示すものの書き方が、日本国籍の人と外国籍の人で分かれています。
| 人の区分 | 身分を示す書類(施行規則第1条第1号) |
|---|---|
| 日本国籍の人 | 戸籍の謄本・抄本、または住民票の写し |
| 中長期在留者・特別永住者 | 住民票の写し(国籍等が記載されたもの) |
| 出入国管理及び難民認定法第19条の3の各号に掲げる人 | 旅券その他の身分を証する書類の写し |
第19条の3の各号に掲げる人とは、中長期在留者から除かれている人です。在留期間が3か月以下の人、短期滞在の在留資格の人、外交または公用の在留資格の人、これらに準ずる人として法務省令で定めるものを指します(同法第19条の3)。自分がどれに当たるかは、在留カードや出入国在留管理庁の案内でご確認ください。
このほか、精神の機能の障害に関する医師の診断書も添えます。書類の全体は美容師免許の取得条件の免許申請の節にあります。
免許を受けたあとの名簿と変更
美容師名簿には、本籍地都道府県を登録します。日本の国籍を持たない人については、国籍等を登録します(施行規則第2条第2号)。この登録事項や氏名に変更があったときは、30日以内に名簿の訂正を申請します(第3条第1項)。申請書には、戸籍の謄本・抄本または住民票の写しを添えます(同条第2項)。免許証の返納や再交付の窓口は美容師免許証の返納・提出と免許と美容所の手続き一覧にあります。
外国人が美容所を開設するときの届出書類
美容所を開設するときの届出は、美容所の所在地の都道府県知事、保健所を設置する市の市長または特別区の区長に出します(施行規則第19条第1項)。外国人が届出をする場合は、診断書などのほかに、住民票の写し(国籍等を記載したものに限る)を添えるとされています(同条第4項)。届出の全体は美容所の開設の届出で扱っています。
このページで確認していないこと
- 在留資格(就労できる資格かどうか)。美容師として働くための在留資格は出入国管理及び難民認定法の別の問題で、このページでは確認していません。
- 外国の養成機関の修了が、養成施設の入学や修業期間にどう扱われるか。
- 試験の言語、受験手数料の免除などの個別の取り扱い。
- 個別の人が免許を受けられるかどうかの判断。
条文の位置づけは条文別早見表で確認できます。
一次情報: 美容師法(昭和32年法律第163号)第3条・第4条・第5条の2(e-Gov法令検索、2026-10-06取得)、美容師法施行規則(平成10年厚生省令第7号)第1条・第2条・第3条・第19条(e-Gov法令検索、2026-10-06取得)、学校教育法第90条(e-Gov法令検索、2026-10-06取得)、学校教育法施行規則第150条(e-Gov法令検索、2026-10-06取得)、出入国管理及び難民認定法第19条の3(e-Gov法令検索、2026-10-06取得)。