令和6年6月26日の改正で変わった2か所(新旧対照)
「理容所及び美容所における衛生管理要領」は、昭和56年6月1日の通知(環指第95号)で定められた、衛生管理の指導の基準です。令和6年6月26日の厚生労働省健康・生活衛生局長通知(健生発0626第6号)で一部が改正されました。この改正は、令和4年12月21日にデジタル臨時行政調査会が決めた、アナログ規制(目視・対面などを求める規制)の見直しの工程表を踏まえたものです。要領と合わせて、昭和43年9月18日の通知(環衛第8140号)も改正されました。
| 箇所 | 旧 | 新 |
|---|---|---|
| 第3の2(2) 感染症にかかった従業者の就業 | 従業者またはその同居者が、エボラ出血熱・クリミア・コンゴ出血熱・マールブルグ病・ラッサ熱・ジフテリア・ペストの患者またはその疑いのある者の場合、従業者本人の感染がないと判明するまで作業に従事させない | 従業者またはその同居者が、感染症法により就業が制限される感染症にかかっている者またはその疑いのある者の場合、当該感染症をまん延させるおそれがなくなるまでの期間、業務に従事させない |
| 第6の2 管理美容師・管理理容師の業務のオンライン実施 | (記載なし) | 管理理容師または管理美容師が行う業務のうち、第3の2(1)・(3)と第4の1の業務は、デジタル技術等を活用して適切に行える場合、オンライン実施・兼任により対応できる |
管理美容師は、美容師である従業者が常時2人以上いる美容所に置かなければならない責任者です(美容師法第12条の3第1項)。開設者自身が管理美容師になれる場合は、自ら主として管理する1つの美容所について管理美容師になることもできます。改正後は、管理美容師の業務のうち、従業者の健康管理(第3の2(1))、衛生教育(第3の2(3))、毎日の感染症の有無の確認(第4の1)の3つが、条件を満たせばオンラインや兼任で行えることになりました。
美容師が施術中に守る項目(要領 第4 衛生的取扱い等)
要領の第4は、日々の施術での取扱いを定めています。美容師本人に関わる項目を、要領の項目番号とあわせて抜き出すと次のとおりです。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 第4の6 服装 | 作業中は清潔な外衣(白色またはこれに近い色で汚れが目立ちやすいもの)を着用し、顔面作業時は清潔なマスクを使用する |
| 第4の7 手指 | 常に爪を短く切り、客1人ごとの作業の前後に手指を洗浄し、必要に応じて消毒する |
| 第4の9 作業場での行動 | 作業場では、所定の場所以外で着替え・喫煙・食事をしない |
| 第4の10・11 皮膚に接する器具 | 客1人ごとに消毒した清潔なものを使い、使用後は洗浄して消毒する |
| 第4の12 皮膚に接する布片 | 清潔なものを使い、客1人ごとに取り替える |
このうち器具と布片の項目(第4の10〜12)は、美容師法第8条が定める措置とほぼ同じ内容です。第8条は、美容師が美容の業を行うときに、(1)皮ふに接する布片と器具を清潔に保つこと、(2)布片を客一人ごとに取り替え、器具を客一人ごとに消毒すること、(3)その他都道府県が条例で定める衛生上必要な措置、を講じなければならないと定めています。法律の条文が最低限の措置を定め、要領が具体的な取扱いを示す関係です。
作業面の明るさは、要領では300ルクス以上が望ましいとされています。要領の注記によると、美容師法施行規則が定める基準は100ルクス以上です。
補助業務従事者(アシスタント)が行える範囲
要領の第3の2(4)は、免許を持たない補助業務従事者について、次のように書いています。
補助業務従事者(通信教育中の者を含む。)の業務範囲は、清掃、タオル絞り、道具整理等は認められるが、理容又は美容の本質的作業に独立して従事することは認められないこと。
認められる作業として書かれているのは「清掃、タオル絞り、道具整理等」です。認められないのは、「本質的作業に独立して従事すること」です。シャンプーなど、ここに名前の出ていない作業がどちらに当たるのかは、この要領からは読み取れません。本サイトでは確認できていないため、「未確認」としています。
感染症にかかったときの届出(要領 第3の2(1))
従業者が結核、または感染性の皮膚疾患(伝染性膿痂疹、単純性疱疹、頭部白癬、疥癬等)にかかったときは、開設者が保健所に届け出るとともに、その従業者を作業に従事させないこととされています。治癒した場合も同様に届け出ます。届出の義務は、美容所の開設者にあります。
この要領からわからないこと
- この通知は、地方自治法第245条の4第1項に基づく技術的助言(国から自治体への助言)と書かれています。保健所の具体的な指導内容は、都道府県・保健所設置市などの条例や運用で異なる場合があります。
- 美容師法第8条の「その他都道府県が条例で定める衛生上必要な措置」の中身は、都道府県ごとの条例によります。本サイトでは個別の条例を確認していません。
- 出張・訪問での施術に特有の衛生管理は、出張・訪問美容が認められる条件で、令和8年3月26日の改正とあわせて整理しています。
- 衛生上の措置を怠った場合の処分は、業務停止・免許取消の基準と罰則の対応表を参照してください。
- 衛生管理要領を含む通知の発出日の一覧は通知の一覧にあります。
一次情報: 厚生労働省健康・生活衛生局長通知「「理容所及び美容所における衛生管理要領」等の一部改正について」(令和6年6月26日 健生発0626第6号、https://www.mhlw.go.jp/content/11130500/001403691.pdf)の新旧対照表および改正後全文、e-Gov法令検索「美容師法」第8条・第12条の3。確認日: 2026-10-01。