参照した公式資料
- まつ毛エクステンションによる危害防止の徹底について(平成20年3月7日 健衛発第0307001号)
- まつ毛エクステンションによる危害防止の周知及び指導・監督の徹底について(平成22年2月18日)
- まつ毛エクステンションによる安全性の確保について(平成24年11月28日)
- まつ毛エクステンションに係る教育プログラムと情報提供等について(平成25年6月28日)
- まつ毛エクステンションに係る消費者事故等について(依頼)(平成27年6月4日)
- 染毛剤、脱色剤及び脱染剤の使用上の注意について(平成19年12月26日 薬食安発第1226001号、PMDA掲載)
このページの読み方:引用欄は厚生労働省通知の原文、「つまり」以降の文は原文をもとにした整理です。通知で確認できたことと確認できていないことは、本文中で分けて書いています。他の施術の確認状況は施術×職種 境界マップで見分けられます。
結論:まつげエクステンションは美容師法上の「美容」に該当する
厚生労働省健康局生活衛生課長通知(平成20年3月7日 健衛発第0307001号)は、まつげエクステンションについて次のように述べています。
美容師法第2条第1項の規定において、美容とはパーマネントウエーブ、結髪、化粧等の方法により容姿を美しくすることをいうとされており、通常首から上の容姿を美しくすることと解されているところである。(中略)いわゆるまつ毛エクステンションについては、①「パーマネント・ウエーブ用剤の目的外使用について」(平成16年9月8日健衛発第0908001号)において、まつ毛に係る施術を美容行為と位置付けた上で適正な実施の確保を図ることとしていること、②「美容師法の疑義について」(平成15年10月2日健衛発第1002001号)において、いわゆるエクステンションは美容師法にいう美容に該当するとされていることから、当該行為は美容師法に基づく美容に該当するものであることを申し添える。
出典: 厚生労働省「まつ毛エクステンションによる危害防止の徹底について」(平成20年3月7日 健衛発第0307001号)
つまり、まつげエクステンションの施術は美容師免許が必要な行為として扱われており、無資格での施術は美容師法違反となり得ます。この解釈は平成16年・平成15年の先行通知を引き継いだもので、平成20年時点で既に確定していました。
その後の通知の流れ(年表)
| 日付 | 通知 | 要旨 |
|---|---|---|
| 平成20年3月7日 | まつ毛エクステンションによる危害防止の徹底について(健衛発第0307001号) | 美容師法上の位置づけを確認。接着剤による健康被害の相談増加を受け、営業者への周知徹底を要請 |
| 平成22年2月18日 | 危害防止の周知及び指導・監督の徹底について | 周知・指導監督の継続要請 |
| 平成24年11月28日 | 安全性の確保について | 安全性確保の追加要請 |
| 平成25年6月28日 | 教育プログラムと情報提供等について | 施術者向け教育プログラムの整備・周知 |
| 平成27年6月4日 | 消費者事故等について(依頼) | 消費者事故の報告依頼 |
5本の通知はいずれも「まつげエクステは美容行為である」という前提のもとで、安全性・危害防止の徹底を段階的に強化する内容です。通知は1本ごとに発出年が異なるため、上の年表で5本の発出順と内容の違いを確認してください。
実務上のポイント
- まつげエクステの施術には美容師免許が必要(無資格施術は美容師法違反のおそれ)。
- 接着剤による健康被害の相談の増加が通知発出のきっかけになっており、施術時の安全管理(アレルギーテスト等)が繰り返し求められている。
- 個別の施術方法・薬剤が安全基準を満たすかどうかの判断は、本サイトでは行いません。保健所・業界団体の最新情報をご確認ください。
同じ「まつ毛」に関わる施術でも、アートメイクは美容師法の「美容」ではなく医師法上の「医行為」とされ、美容師免許では実施できません。あわせてご確認ください。
取得・確認の記録: 厚生労働省「理容・美容」ページ掲載の通知5本(平成20年3月7日 健衛発第0307001号ほか)。原文PDFをダウンロードし直接確認(確認日2026-09-13)。詳細な出典URLはdocs/SOURCE_LEDGER.md参照。
「業として行う」の意味が条文に書かれていない点は、美容師法の用語集で整理しています。
まつ毛染め(まつ毛カラー)の扱い:染毛剤の使用上の注意と確認できていない点
「まつ毛染め」「まつ毛カラー」を名指しした厚生労働省の通知は、本サイトでは確認できていません(2026-10-12に検索と下記通知の本文で確認)。確認できたのは、染毛剤の使用上の注意として、まつ毛への使用を避けるよう記載させる通知です。
平成19年12月26日 薬食安発第1226001号(厚生労働省医薬食品局安全対策課長通知「染毛剤、脱色剤及び脱染剤の使用上の注意について」)は、酸化染料を含む染毛剤について、製造販売業者に次の注意事項を使用説明書等へ記載するよう定めています。
(2)使用前に注意する旨 イ.頭髪以外には使用しないこと。ウ.眉毛、まつ毛に使用しないこと。
出典: 染毛剤、脱色剤及び脱染剤の使用上の注意について(平成19年12月26日 薬食安発第1226001号)
この通知の名宛ては染毛剤の製造販売業者側の記載事項であり、美容師の施術可否を直接定めたものではありません。そのため、染毛剤をまつ毛に使う施術が美容師免許で行えるか、美容師法上どう扱われるかは、通知から断定できません。同じ注意書きが挙げる眉毛の施術(アイブロウ・眉ワックス・眉カット)と美容師免許の関係は、眉毛の施術と美容師免許の要否で別に整理しています。確認できていない点として、次を挙げます。
- まつ毛染め用として承認・届出された製品の有無と、その使用に関する厚生労働省の見解
- まつ毛染めを名指しした通知・消費者庁・国民生活センターの注意喚起(国民生活センターの2019年8月の公表はまつ毛美容液が対象で、まつ毛染めは対象外)
染毛剤の使用前のパッチテストは染毛剤のパッチテストの扱い、染毛剤とパーマ液の法的な区分は染毛剤・パーマ液の医薬部外品の区分で確認できます。個別の施術の可否は、管轄の保健所に確認してください。
取得・確認の記録: 厚生労働省 薬食安発第1226001号(PMDA掲載の通知本文)。確認日2026-10-12。
マツエクの許認可:美容師免許・美容所の開設届・出張時の扱い
マツエク(まつげエクステンション)の許認可は、「施術する人の免許」と「施術する場所の届出」に分けて確認できます。
- 施術する人:美容師免許。美容師法第6条は「美容師でなければ、美容を業としてはならない」と定めています。まつげエクステンションは、平成20年3月7日の健衛発第0307001号が美容師法にいう美容に該当するとしているため、免許が必要な行為として扱われます。
- 施術する場所:美容所の開設届。同法第11条は、美容所を開設しようとする者は、位置・構造設備・従業者の氏名などをあらかじめ都道府県知事に届け出なければならないと定めています。第12条は、構造設備の検査と確認を受けた後でなければ、その美容所を使用してはならないと定めています。この届出は美容所の開設者がするものです。マツエク専門のサロンに限った届出の扱いを述べる通知は、本サイトでは確認していません。
- 出張で施術する場合。同法第7条は、美容師は美容所以外の場所で美容の業をしてはならず、政令で定める特別の事情がある場合だけが例外としています。まつげエクステンションに限った出張の可否を述べる通知は、本サイトでは確認していません。対象の範囲は出張・訪問美容の対象範囲で確認できます。
個別のサロンや施術が適法かどうかの判断は、本サイトでは行いません。届出の要否は、開設する地域の保健所にご確認ください。
出典: e-Gov法令検索「美容師法」(第6条・第7条・第11条・第12条、2026-10-31確認)、厚生労働省「まつ毛エクステンションによる危害防止の徹底について」(平成20年3月7日 健衛発第0307001号)
よくある質問
マツエクの許認可は何が必要ですか?
施術する人には美容師免許が必要です。美容師法第6条は「美容師でなければ、美容を業としてはならない」と定め、平成20年3月7日の健衛発第0307001号はまつげエクステンションを美容に該当するとしています。施術する場所については、同法第11条が、美容所を開設しようとする者はあらかじめ都道府県知事に届け出なければならないと定めています。美容所以外での施術は、同法第7条により政令で定める特別の事情がある場合に限られます。個別のサロンや施術が適法かどうかの判断は、本サイトでは行いません。
まつげエクステンションの施術に美容師免許は必要ですか?
平成20年3月7日の厚生労働省健康局生活衛生課長通知(健衛発第0307001号)は、まつ毛に係る施術を美容行為と位置付けています。美容師免許が必要な行為として扱われ、無資格での施術は美容師法違反となり得ます。個別の施術が適法かどうかは、このサイトでは判断しません。
まつげエクステンションに関する厚生労働省の通知は何本ありますか?
厚生労働省「理容・美容」ページには5本が掲載されています。平成20年3月7日、平成22年2月18日、平成24年11月28日、平成25年6月28日、平成27年6月4日の通知で、いずれもまつげエクステンションを美容行為とする前提で、安全性・危害防止の徹底を求める内容です。
まつげのアートメイクも美容師免許でできますか?
アートメイクは美容師法の「美容」ではなく医師法上の「医行為」とされ、美容師免許では実施できません。詳しくはアートメイクのページをご確認ください。
無資格のアシスタントが、まつげエクステンションの施術をしてよいですか?
美容師法第6条は「美容師でなければ、美容を業としてはならない」と定めています。平成11年9月28日の生衛発第1391号は、美容師の資格のない者が美容師と同様の美容の業を行うことはできず、行えば第6条違反になると整理されています。第6条に違反した者は、第18条第1号により30万円以下の罰金に処されます(条文の並びは罰則の対応表)。まつげエクステンションは厚生労働省通知が美容行為と位置づけているため、免許のない人が独立して行うことは認められないと読めます。通知に名前がある補助作業は「清掃、タオル絞り、道具整理等」で、それ以外の作業の扱いは無免許アシスタントの作業範囲のページに確認状況をまとめています。
まつげパーマとまつげエクステンションの違いは、免許の面でありますか?
免許要否の結論は同じで、どちらも美容師免許が必要と整理しています。まつげパーマは昭和60年7月1日 衛指第117号が「マツ毛パーマ」を名指ししており、まつげエクステンションは平成20年3月7日 健衛発第0307001号ほかが根拠です。
まつげエクステンションを出張で行えますか?
理容・美容の施術は原則として美容所で行うこととされ、美容所以外での施術が認められるのは政令の定める場合に限られます(美容師法施行令。要介護状態にある等の理由、婚礼などの儀式の直前など。婚礼の場合の整理はブライダルヘアメイクと美容師免許)。認められるか否かは「状態の程度」や「生活環境」を総合的に勘案して個別に判断されます。まつげエクステンションに限った出張の可否を述べる通知は、本サイトでは確認していません。対象の範囲は出張・訪問美容の対象範囲のページで原文を確認できます。
次に読むページ
- つけ毛(ヘアエクステンション)の取付けの扱いを確かめたいとき:つけ毛の施術と美容師免許の要否
- まつ毛パーマの扱いを確かめたいとき:まつ毛パーマの美容師免許の要否
- 民間団体の講習・検定を受けた人が施術できるかを確かめたいとき:まつ毛エクステの民間資格・検定と美容師免許の関係
- 通知の発出日・番号を確かめたいとき:美容師の施術に関する厚労省通知の一覧
- 違反した場合の罰則の条文を確かめたいとき:美容師法・医師法の罰則の対応表
- 業務停止・免許取消の要件を確かめたいとき:美容師の業務停止・免許取消の基準
- 免許を与えないことがある場合を確かめたいとき:美容師免許の欠格事由
- 免許と美容所に関わる手続きや義務の全体を確かめたいとき:免許と美容所の手続き一覧、美容所の義務の早見表