美容師法第10条の業務停止・免許取消の要件(第1項〜第4項)

美容師の免許の取消しと業務の停止は、美容師法第10条に定められています。処分をする者と、処分の理由は項ごとに次のとおりです。

項処分をする者処分理由(条文の要旨)
第1項厚生労働大臣免許の取消し第3条第2項第1号に掲げる者(心身の障害により美容師の業務を適正に行うことができない者として厚生労働省令で定めるもの)に該当するとき
第2項都道府県知事期間を定めた業務の停止第7条(美容所以外の場所での営業の禁止)または第8条(美容の業を行う場合に講ずべき措置)に違反したとき、または伝染性の疾病にかかり、その就業が公衆衛生上不適当と認めるとき
第3項厚生労働大臣免許の取消し第2項の業務の停止処分に違反したとき
第4項(再免許)再免許を与えることができる第1項または第3項の取消処分を受けた者でも、取消しの理由となった事項に該当しなくなったとき、その他その後の事情により再び免許を与えるのが適当であると認められるに至ったとき

条文ではいずれも「できる」と書かれており、該当すれば必ず処分されるという書き方ではありません。

業務停止の理由になる第7条・第8条の原文

第10条第2項が業務停止の理由として挙げる2つの条文は、次のとおりです。

第七条 美容師は、美容所以外の場所において、美容の業をしてはならない。ただし、政令で定める特別の事情がある場合には、この限りでない。
第八条 美容師は、美容の業を行うときは、次に掲げる措置を講じなければならない。
一 皮ふに接する布片及び皮ふに接する器具を清潔に保つこと。
二 皮ふに接する布片を客一人ごとに取り替え、皮ふに接する器具を客一人ごとに消毒すること。
三 その他都道府県が条例で定める衛生上必要な措置

第7条ただし書きの「政令で定める特別の事情」(出張・訪問美容が認められる場合)は、出張・訪問美容の対象範囲で、美容師法施行令第4条と厚生労働省の通知・Q&Aの原文を使って整理しています。

厚生労働省「理容師・美容師の懲戒処分等の基準」の対象2類型

厚生労働省は「理容師・美容師の懲戒処分等の基準」を公表しています。これは法律の条文ではなく、処分の基準として示されたものです。美容師については次のとおりです。

処分基準に書かれた対象
業務停止(美容師法第10条第2項)(ア) 美容所以外の場所で美容業を行った場合
(イ) 美容の業を行う場合に講ずべき措置(第8条の3項目)に違反したとき
免許取消(美容師法第10条第3項)美容師業務の停止処分に違反したとき

基準は(ア)について、次の場合は美容所以外の場所で美容を行っても処分の対象とはならないとしています。

どの自治体がどのような場合を条例で定めているかは、出張・訪問美容の対象範囲の自治体調査の節を参照してください。

懲戒処分の公開の基準(氏名等4項目・公開期間2年/5年)

同じ基準は、懲戒処分を受けた者について、次の4項目を公開するとしています。

処分公開の期間
業務停止処分当該停止期間及び期間終了の翌日から2年
免許取消処分の日から5年

同じページの「懲戒処分の状況」では、美容師法に基づく懲戒を受けた美容師は「該当なし」と表示されています(2026年9月27日に確認した時点。ページ内に更新日の記載はありません)。

免許取消の後の再免許と、美容所の閉鎖命令との関係

実務上のポイント

ほかの施術の免許要否は施術×職種 境界マップにまとめています。

一次情報: 美容師法(昭和32年法律第163号)第3条・第7条・第8条・第10条・第15条(e-Gov法令検索)、厚生労働省「理容師・美容師の懲戒処分等の基準」。原文をいずれも直接取得・確認(確認日2026-09-27)。