この指針は何を定め、美容所は対象なのか

平成22年9月15日の厚生労働省健康局長通知(健発0915第4号)は、ネイルサロンの衛生管理について「ネイルサロンにおける衛生管理に関する指針」を定めました。つけ爪による健康被害について、独立行政法人国民生活センターから平成20年10月に情報提供があったことがきっかけと、通知の冒頭に書かれています。通知自体は、地方自治法に規定する「技術的な助言」に当たるとされています。

この通知の記の2は、美容所との関係を次のように書いています。

理容所・美容所については、理容師法、美容師法によって衛生水準の確保が義務付けられるとともに、理容所及び美容所における衛生管理要領によって指導を行うことから、本指針の対象とするものではないこと。

つまり、美容所の中でネイルの施術を行う場合の衛生管理は、この指針ではなく、美容師法と理容所・美容所の衛生管理要領の側で扱われます。この指針の対象は、美容所ではない「ネイルサロン」です。指針は「ネイルサロン」を「爪の手入れ、爪の造形、爪の修理、補強、爪の装飾など爪に係る施術を行う施設」と定義しています。

指針の施設・設備の基準(第3)から主なもの

項目指針の記載
施術の場所施設には施術を行う作業場を設けること(第3の3)。作業場は、待合所、居住室、休憩室等から区分されていること(第3の6)
器具の消毒場所作業場に適当な広さの器具等を消毒する場所を設けること。作業場内に設置できない場合は共用設備を用いるなど、利用しやすい場所を決めておくこと(第3の8)
手洗い作業場内に従業者用の手洗い設備を設けること(第3の10)
待合所客の待合所を設けることが望ましい。設けられない場合は、施術中の客と施術前後の客が混在しないようにすること(第3の4)
消毒済みの器具の保管皮膚に接する消毒済みの器具類を保管する収納ケース等を備えること(第3の15)
廃棄物汚物、廃棄物を入れるふた付きの汚物箱等を備えること(第3の14)

管理と衛生的取扱い(第4・第5)から主なもの

器具の消毒方法(第6)

再利用する器具類は、家庭用洗剤をつけたスポンジ等でこすり、十分な流水(10秒間以上、1リットル以上)で洗浄したうえで、次のア〜クのいずれかの方法で消毒します。

方法指針の条件
ア 煮沸消毒器沸騰してから2分間以上煮沸する
イ エタノール消毒用エタノール(76.9〜81.4v/v%)に10分間以上浸す、または含ませた綿・ガーゼで器具表面をふく。消毒液は7日以内に取り替える
ウ 次亜塩素酸ナトリウム0.01〜0.1%液(有効塩素濃度100〜1000ppm)に10分間以上浸す。消毒液は使用するたびに取り替える
エ 紫外線照射紫外線消毒器で85μW/cm2以上を連続して20分間以上照射する
オ 蒸気消毒器内が80℃を超えてから10分間以上湿熱に触れさせる
カ 逆性石ケン液0.1〜0.2%液に10分間以上浸す。消毒液は毎日取り替える
キ グルコン酸クロルヘキシジン0.05%液に10分間以上浸す。消毒液は毎日取り替える
ク 両性界面活性剤0.1〜0.2%液に10分間以上浸す。消毒液は毎日取り替える

血液が付着している器具類は、ア(煮沸)、イのうち消毒用エタノールに10分間以上浸す方法、またはウのうち0.1%次亜塩素酸ナトリウム液(有効塩素濃度1000ppm)に10分間以上浸す方法のいずれかによる、と指針は定めています。

美容師として押さえておくこと

一次情報: 厚生労働省「ネイルサロンにおける衛生管理に関する指針について」(平成22年9月15日 健発0915第4号)。原文を直接取得し、引用箇所を確認(確認日2026-10-02)。出典URL: https://www.mhlw.go.jp/web/t_doc?dataId=00tb6459&dataType=1&pageNo=1