受験に必要な修業年数は、養成課程と理容師養成施設の経験で変わる
美容師になるには、美容師試験に合格し、厚生労働大臣の免許を受ける必要があります(美容師法第3条第1項)。試験を受けられるのは、都道府県知事が指定した美容師養成施設で、決められた期間以上、必要な知識と技能を修得した人です(同法第4条第3項)。その期間は施行規則第11条が定めています。
| 養成課程 | 受験に必要な修業期間 | 理容師養成施設で、理容師法施行規則第11条前段の期間以上修めている場合 |
|---|---|---|
| 昼間課程 | 2年 | 1年 |
| 夜間課程 | 2年 | 1年 |
| 通信課程 | 3年 | 1年6月 |
通信課程は、昼間課程または夜間課程を設けている美容師養成施設に限って設けることができます(美容師法第4条第4項ただし書)。理容師の養成の経験がある人の短縮は、施行規則第11条のただし書に書かれています。理容師と美容師の業務の違いは理容師と美容師の業務範囲の違いで扱っています。
このほか、試験を受けられる人には学校教育法第90条に規定する者であること、という条件もあります(美容師法第4条第3項)。この規定に自分が当たるかどうかは、このサイトでは判断しません。入学を考えている養成施設にご確認ください。
試験は筆記と実技に分かれ、一部は免除される
施行規則第12条は、美容師試験を筆記試験と実技試験に分け、課目を次のように定めています。
| 試験 | 課目 |
|---|---|
| 筆記試験 | 関係法規・制度、衛生管理、保健、香粧品化学、文化論、美容技術理論、運営管理 |
| 実技試験 | 美容実技 |
試験の免除は、施行規則第13条が2つの場合を定めています。どちらも申請が必要です。
| 場合 | 免除されるもの |
|---|---|
| 筆記試験または実技試験に合格した | その試験に引き続いて行われる次回の美容師試験に限り、合格した試験の免除 |
| 理容師法第2条により理容師の免許を受けている | 美容技術理論を除く筆記試験の免除 |
前者は「次回に限り」なので、片方だけ合格した年の翌回を逃すと免除は使えません。
受験の手続き: 官報の公告、願書、手数料
- 試験の期日・場所と、願書の提出期限は、あらかじめ官報で公告されます(施行規則第14条)。
- 様式第五の受験願書を厚生労働大臣に出します(第15条第1項)。
- 願書には、指定を受けた美容師養成施設の卒業証明書と、写真を添えます(第15条第2項)。写真は、出願前6か月以内に脱帽して正面から撮影した縦4.5センチ・横3.5センチのもので、裏面に撮影年月日と氏名を書きます。
- 受験手数料を納めます(法第4条の18。額は政令で定める額)。このページでは金額を確認していないため書きません。
回ごとの受験者数・合格者数・合格率は美容師国家試験の合格率と受験者数・合格者数にあります。
合格すると、厚生労働大臣から合格証書が交付されます(施行規則第16条)。合格証明書がほしい場合は、申請して交付を受けられます(第17条第1項)。その手数料は条文上1,150円です(第17条第2項。収入印紙を申請書にはります)。
合格してから免許になるまで: 名簿への登録を申請する
合格しただけでは免許を受けたことになりません。美容師の免許は、合格した人の申請によって、厚生労働省の美容師名簿に登録することで行われ、免許を与えたときに免許証が交付されます(法第5条の2)。
申請は、施行規則第1条により、様式第一の申請書に次の書類を添えて厚生労働大臣に出します。
| 添える書類 | 条文上の書き方 |
|---|---|
| 身分を示す書類 | 戸籍の謄本・抄本、または住民票の写し(国籍等の記載があるもの)。中長期在留者などは旅券その他の身分を証する書類の写し |
| 診断書 | 精神の機能の障害に関する医師の診断書 |
申請書には、登録免許税の領収証書または収入印紙をはります(第8条第1項)。税額は条文に書かれておらず、このページでは確認していません。申請書の様式や窓口の最新の案内は、厚生労働省でご確認ください。
免許を「与えないことがある」場合の手続き
法第3条第2項は、美容師の業務を適正に行うことができない心身の障害がある人などには、免許を与えないことがあると定めています。具体的な3つの場合は美容師免許の欠格事由で扱っています。申請の手続きに関わる点は次のとおりです。
- 施行規則第1条の2は、障害の中身を「精神の機能の障害により、認知、判断、意思疎通を適切に行うことができない者」とし、第1条の3は、現に受けている治療で障害の程度が軽くなっている状況を考慮するよう厚生労働大臣に求めています。
- この理由で免許を与えないとするときは、あらかじめ申請者に通知し、求めがあれば意見を聴取します(法第5条の2の2)。
免許を受けたあとの名簿と変更
名簿には、登録番号と登録年月日、本籍地都道府県(外国籍の場合は国籍等)、氏名、生年月日、性別、試験に合格した年月などが登録されます(施行規則第2条)。本籍地都道府県(国籍等)または氏名・生年月日・性別に変更があったときは、30日以内に名簿の訂正を申請します(第3条第1項)。申請書には戸籍の謄本・抄本または住民票の写しを添えます(同条第2項)。免許証の取消や業務停止のときの扱いは美容師免許証の返納・提出が必要な場合、処分の基準は業務停止・免許取消の基準にあります。
押さえておくこと
- 受験には、知事が指定した養成施設での修業が要ります。昼間・夜間課程は2年、通信課程は3年で、理容師養成施設で修めた期間がある人は1年・1年6月に短縮されます。
- 免許は試験の合格だけでは受けられず、合格後に名簿への登録を申請する必要があります。
- 受験手数料、登録免許税の額、願書の入手方法・締切日は、このページでは確認していません。厚生労働省や試験の実施機関の最新の案内をご確認ください。
- 個別の受験資格や申請書類の可否は、このサイトでは判断しません。
条文の位置づけは条文別早見表、免許を持たずに業を行った場合の罰則は罰則の対応表で確認できます。
通信課程がある養成施設は、美容師の通信課程がある養成施設の一覧で都道府県別に確かめられます。
免許を受ける前の実習・インターンの扱いは、美容師の実地習練(インターン)は現行法にあるかで、旧規定との違いを含めて整理しています。
一次情報: 美容師法(昭和32年法律第163号)第3条・第4条・第4条の18・第5条の2・第5条の2の2(e-Gov法令検索、2026-10-04取得)、美容師法施行規則(平成10年厚生省令第7号)第1条・第1条の2・第1条の3・第2条・第3条・第8条・第11条〜第17条(e-Gov法令検索、2026-10-04取得)。条文の内容は取得日時点のもので、数値と手続きは原文のとおりです。