客1人ごとの消毒は、施行規則第25条の方法で行う
美容師法第8条は、美容師が美容の業を行うときに講じる措置を定めています。そのうち第2号が、皮ふに接する布片は客1人ごとに取り替え、皮ふに接する器具は客1人ごとに消毒することです。
第二号 皮ふに接する布片を客一人ごとに取り替え、皮ふに接する器具を客一人ごとに消毒すること。
「皮ふに接する器具」とは、施行規則第24条が、クリッパー(バリカン)、はさみ、くし、刷毛、ふけ取り、かみそりなど、皮膚に直接触れて使う器具と定めています。その「消毒」の具体的な方法が、施行規則第25条です。
第25条は、まず器具を十分に洗浄すること、そのうえで、器具の区分に応じて次の方法のいずれかで消毒することを求めています。区分は「血液が付着している(またはその疑いがある)器具」かどうかで分かれます。
血液が付着している、またはその疑いがある器具(第25条第1号)
対象は、かみそり(専ら頭髪を切断する用途のものを除く)と、かみそり以外で血液が付着している、またはその疑いのある器具です。次の3つのいずれかで消毒します。
| 方法 | 条件(条文のとおり) |
|---|---|
| 煮沸 | 沸騰後2分間以上煮沸する |
| エタノール水溶液 | エタノールが76.9パーセント以上81.4パーセント以下の水溶液に、10分間以上浸す |
| 次亜塩素酸ナトリウム | 0.1パーセント以上の水溶液に、10分間以上浸す |
それ以外の器具(第25条第2号)
血液の付着がなく、疑いもない器具は、次の8つのいずれかで消毒できます。血液が付着した器具に使える3つに加えて、紫外線・湿熱・逆性石ケンなどが選べます。
| 方法 | 条件(条文のとおり) |
|---|---|
| 紫外線 | 1平方センチメートルあたり85マイクロワット以上の紫外線を、20分間以上照射する |
| 煮沸 | 沸騰後2分間以上煮沸する |
| 湿熱 | 摂氏80度を超える湿熱に、10分間以上触れさせる |
| エタノール水溶液 | 水溶液(76.9〜81.4パーセント)に10分間以上浸す、または、その水溶液を含ませた綿かガーゼで器具の表面をふく |
| 次亜塩素酸ナトリウム | 0.01パーセント以上の水溶液に、10分間以上浸す |
| 逆性石ケン | 0.1パーセント以上の水溶液に、10分間以上浸す |
| グルコン酸クロルヘキシジン | 0.05パーセント以上の水溶液に、10分間以上浸す |
| 両性界面活性剤 | 0.1パーセント以上の水溶液に、10分間以上浸す |
2つの区分を並べて読むときの注意点
- 次亜塩素酸ナトリウムの濃度は、血液が付着した器具は0.1パーセント以上、それ以外は0.01パーセント以上と、10倍違います。
- 紫外線・湿熱・逆性石ケン・グルコン酸クロルヘキシジン・両性界面活性剤は、血液が付着した器具の方法には入っていません。
- かみそりは、専ら頭髪を切断する用途のものを除き、血液の付着の有無にかかわらず、第1号の区分に入ります。
- どの方法も、前提は「器具を十分に洗浄した後」であることです。
これは、法令が定める消毒の方法と条件の一覧です。製品ごとの使い方(希釈の手順、浸す容器、器具の材質との相性)は、条文には書かれていません。製品の説明書と、美容所の所在地の保健所の指導にあわせてください。
清潔の保持に関する施設側の措置(第26条)
器具の消毒とは別に、美容所の開設者が講じる「常に清潔に保つこと」(美容師法第13条第1号)の具体的な措置を、施行規則第26条が3つ定めています。
- 床と腰板に、コンクリート、タイル、リノリューム、板などの水を通さない材料を使う
- 洗い場を、流水装置にする
- ふた付きの汚物箱と毛髪箱を備える
美容所を開く手続き全体は美容所の開設の届出・構造設備の確認・管理美容師、国の衛生管理要領(令和6年6月26日改正)は理容所・美容所の衛生管理要領、ネイルの衛生管理の指針はネイルサロンの衛生管理指針に整理しています。
一次情報: 美容師法(昭和32年法律第163号)第8条(e-Gov法令検索、2026-10-03取得)、美容師法施行規則(平成10年厚生省令第7号)第24条・第25条・第26条(e-Gov法令検索、2026-10-03取得)。個別の消毒方法の適否は、所在地の保健所にご確認ください。