免許の手続きは厚生労働大臣、美容所の届出は都道府県知事など
美容師が行う手続きは、大きく2つに分かれます。美容師本人の免許に関するもの(厚生労働大臣に出す)と、美容所を開く人が行うもの(美容所のある地域の都道府県知事などに出す)です。「美容所」とは、美容を業として行うための場所のことです。「名簿」とは、厚生労働省に備える美容師名簿のことで、免許はこの名簿に登録することで行われます(美容師法第5条の2)。
手続きごとに根拠の条文が別々の場所にあるため、この表で一度に見比べられるようにしました。各行の詳しい説明は、リンク先の個別ページにあります。
美容師本人の免許の手続き(提出先はすべて厚生労働大臣)
| 手続き | どんなとき | 期限 | 申請書・添えるもの | 根拠 |
|---|---|---|---|---|
| 免許の申請 | 美容師試験に合格したあと、免許を受けたいとき | 条文に日数の定めは書かれていない | 様式第一の申請書。戸籍の謄本・抄本または住民票の写し(国籍等の記載があるもの)と、精神の機能の障害に関する医師の診断書。登録免許税の領収証書か収入印紙をはる | 法第5条の2、施行規則第1条・第8条第1項 |
| 名簿の訂正 | 本籍地都道府県(外国籍の場合は国籍等)、氏名、生年月日、性別のどれかが変わったとき | 30日以内(申請しなければならない) | 様式第二の申請書。戸籍の謄本・抄本または住民票の写し。登録免許税の領収証書か収入印紙をはる | 施行規則第3条・第8条第1項 |
| 免許証の書換え交付 | 免許証に書かれた事項が変わったとき | 条文に期限の定めは書かれていない(「申請することができる」) | 様式第二の申請書に、免許証または免許証明書を添える | 施行規則第5条 |
| 免許証の再交付 | 免許証または免許証明書を破った・汚した・失ったとき | 条文に期限の定めは書かれていない(「申請することができる」) | 様式第四の申請書。手数料4,150円を収入印紙で納める。破った・汚した場合は、その免許証を添える | 施行規則第6条第1項〜第4項・第8条第2項 |
| 再交付後に失くした免許証が見つかったとき | 再交付を受けたあとで、失った免許証が出てきたとき | 5日以内(返納しなければならない) | 失った免許証または免許証明書を返納する | 施行規則第6条第5項 |
| 名簿の登録の消除 | 自分で名簿から登録を消したいとき。美容師が死亡または失そうの宣告を受けたときは、戸籍法の届出義務者が申請する | 本人の申請は日数の定めなし。死亡・失そうの場合は30日以内 | 様式第三の申請書。免許証または免許証明書を返納する | 施行規則第4条・第7条第1項 |
書換え交付と再交付は、どちらも「申請することができる」と書かれた手続きで、日数の期限は条文にありません。一方、名簿の訂正は、変更があったら30日以内に「申請しなければならない」と、義務の形で書かれています。免許証の記載が変わったときは、名簿の訂正と書換え交付の2つが関わる場合がありますが、両方を同時に出す扱いかどうかは、このサイトの一次資料では確認できていないため書きません。
免許の取消や業務停止を受けたときの免許証の返納・提出は美容師免許証の返納・提出が必要な場合に、免許の取得までの流れは美容師免許の取得条件にまとめています。
美容所を開く人・続ける人の届出(提出先は美容所のある地域の知事・市長・区長)
美容所の届出の提出先は、美容所の所在地の都道府県知事、保健所を設置する市の市長、または特別区の区長です(施行規則第19条・第20条〜第22条の2)。
| 手続き | どんなとき | 期限 | 届出書に添えるもの | 根拠 |
|---|---|---|---|---|
| 開設の届出 | 美容所を開こうとするとき | 開設の前に(あらかじめ) | 美容師の伝染性疾病の有無についての医師の診断書。管理美容師を置く場合は、その人が要件を満たすことを示す書類。外国人が届け出る場合は、国籍等を記載した住民票の写し | 法第11条第1項、施行規則第19条 |
| 構造設備の検査と確認 | 届出のあと、美容所を使い始めるとき | 使い始める前に、知事の検査と確認を受ける | 検査を受ける際の書類は、このページでは確認していません | 法第12条 |
| 変更の届出 | 開設の届出で出した事項が変わったとき | すみやかに | 美容師を新たに使う場合などは医師の診断書。管理美容師を置く・変える場合は、新しい管理美容師が要件を満たすことを示す書類 | 法第11条第2項、施行規則第20条 |
| 廃止の届出 | 美容所をやめたとき | すみやかに | 施行規則に添付書類の定めは見当たらない | 法第11条第2項 |
| 開設者の地位の承継の届出(相続・合併・分割) | 開設者の相続・合併・分割で、美容所の営業を引き継いだとき | 遅滞なく | 相続: 戸籍謄本(または法定相続情報一覧図の写し)。相続人が複数で1人を選んだ場合はその全員の同意書。合併・分割: 引き継いだ法人の登記事項証明書 | 法第12条の2第2項、施行規則第21条・第22条・第22条の2 |
承継の届出は、法第12条の2第2項が「その事実を証する書面を添えて」届け出ると定めています。営業の譲渡で引き継いだ場合の届出事項は、施行規則第21条〜第22条の2には挙がっていません。これ以上は、このサイトの一次資料では確認できていないため書きません。
届出書の細かな様式や、図面などの添付書類、手数料の有無は、窓口になる自治体ごとに違います。このサイトでは確認できていないため、所在地の保健所の案内でご確認ください。開設の届出の記載事項9つと、構造設備の基準、管理美容師の要件は美容所の開設の届出で扱っています。
押さえておくこと
- 免許の手続きの窓口はすべて厚生労働大臣、美容所の届出の窓口は美容所のある地域の知事・市長・区長です。
- 日数の期限が条文にあるのは、名簿の訂正(30日以内)、死亡・失そうによる登録消除(30日以内)、再交付後に見つかった免許証の返納(5日以内)です。開設は「あらかじめ」、変更と廃止は「すみやかに」、承継は「遅滞なく」と書かれています。
- 金額が条文に書かれているのは、免許証の再交付の手数料4,150円です。登録免許税や、免許の申請の費用は、このページでは確認していません。
- 個別の手続きが必要かどうか、書類がそろっているかは、このサイトでは判断しません。厚生労働省や所在地の保健所にご確認ください。
手続きを怠ったときの罰則は罰則の対応表、条文の位置づけは条文別早見表で確認できます。
一次情報: 美容師法(昭和32年法律第163号)第5条の2・第11条・第12条・第12条の2(e-Gov法令検索、2026-10-05取得)、美容師法施行規則(平成10年厚生省令第7号)第1条・第3条〜第8条・第19条〜第22条の2(e-Gov法令検索、2026-10-05取得)。条文の内容は取得日時点のものです。