参照した公式資料
- e-Gov法令検索「美容師法」
- e-Gov法令検索「美容師法施行規則」
- e-Gov法令検索「学校教育法」
- e-Gov法令検索「労働基準法」
- 厚生労働省「美容師法の概要」
- 厚生労働省「年少者に関する特別規制」
年齢や未成年を定めた条文は、確認できなかった
美容師免許を受ける前の未成年や学生が、どこまで施術に関われるかは、免許前の読者がよく気にする点です。美容師法(昭和32年法律第163号)と美容師法施行規則(平成10年厚生省令第7号)を条文検索したところ、「年齢」「未成年」の語を含む条は、どちらにもありませんでした(2026-10-09、e-Gov法令検索)。法令の側に「何歳から」という線は確認できず、免許の前に効いてくるのは次の2つです。免許前の実習全般は実地習練(インターン)の扱いにあります。
確認できたこと1: 受験には養成施設の修了などが要る
美容師法第4条第3項は、試験を受けられる人を次のように定めています。
美容師試験は、学校教育法(昭和二十二年法律第二十六号)第九十条に規定する者であつて、都道府県知事の指定した美容師養成施設において厚生労働省令で定める期間以上美容師になるのに必要な知識及び技能を修得したものでなければ受けることができない。
学校教育法第90条第1項は、大学に入学できる人を「高等学校若しくは中等教育学校を卒業した者若しくは通常の課程による十二年の学校教育を修了した者」などとしています。年齢ではなく、学歴と養成施設での修業期間が受験の入口です。修業年数は免許の取得条件、科目は受験資格・試験科目にあります。
確認できたこと2: 免許前の美容業は、年齢や学生かどうかを問わず禁じられている
第6条は「美容師でなければ、美容を業としてはならない」と定めています。違反した人には、第18条第1号で30万円以下の罰金があり、第3条第2項第2号で免許を与えないことがある旨も定められています。学生や未成年であることを理由に、この条文の対象から外す文言は、確認できていません。
美容師の免許を持たないものは美容を業として行うことはできない。なお、業とは反復継続の意思をもって行うことで、有料・無料は問わない。(厚生労働省「美容師法の概要」)
出典: 厚生労働省「美容師法の概要」
サロンでの補助作業のうち通知に名前があるのは清掃やタオル絞りなどで、その範囲は無免許アシスタントの作業範囲に、練習台への施術はカットモデル・練習台への施術と無免許にまとめています。
お客様が子ども(幼児・小学生)のとき、法令に定めはあるか
ここまでは施術する側の年齢の話です。反対に、お客様が子どものカットやファーストカットのとき、美容師法と施行規則に何か定めがあるかも確かめました。
- 美容師法と美容師法施行規則で、「保護者」「年齢」「未成年」「子ども」「児童」「幼児」「承諾」の語を含む条は、どちらも0件でした(e-Gov法令検索、確認日2026-10-12)。
- 「同意」を含む条は、美容師法第12条の2(営業の承継。届出は美容所の変更・廃止・承継の届出で整理)と施行規則第21条にありますが、どちらも相続人が複数いるときに開設者の地位を承継する人を選ぶ場面の同意で、お客様の施術とは関係がありません。
- つまり、お客様の年齢による施術の可否や、保護者の同意を求める規定は、この2つの法令の本文には見当たりません。
確認できていないこと: 厚生労働省の衛生管理要領など通知類に、子どもの施術に特有の定めがあるか。国民生活センターの公開資料で、子どものヘアカットでの事故情報があるか(2026-10-12に同センターの子どもの事故関連ページを検索した範囲では、美容院でのカットに関する事例は見つかりませんでした)。契約の取消しなど民法上の扱い、店ごとの同伴ルールもこのページの対象外です。保護者の同意や付き添いが必要かは法令でなく、各美容所の運用や安全面の配慮で決まると読めますが、個別の場面の可否は断定しません。
18歳未満の労働時間・深夜業の制限(労働基準法)
ここからは美容師法ではなく労働基準法の話です。サロンが18歳未満の見習いやアルバイトを雇う場合に、使用者側が守る定めを、e-Gov法令検索の原文で確認した範囲で挙げます(確認日2026-10-14)。
| 論点 | 条文が定めていること | 条 |
|---|---|---|
| 深夜業 | 満18歳に満たない者を、午後10時から午前5時までの間に使用してはならない。ただし、交替制で使用する満16歳以上の男性は除かれる | 第61条第1項 |
| 時間外・休日労働 | 満18歳未満の人には、原則として時間外・休日労働をさせることはできない。非常災害など避けられない事情がある場合は、労働基準監督署長の許可または事後の届出のもと、必要な範囲に限る例外がある | 第33条・第60条 |
| 中学校卒業後から18歳未満までの労働時間の組み方 | 満15歳に達した日以後の最初の3月31日が終了した後は、1週間の労働時間が法定を超えない範囲で、1日を4時間以内に短縮して他の日を10時間まで延長することなどが認められている | 第60条第3項 |
| 年齢の証明 | 満18歳に満たない者について、年齢を証明する戸籍証明書を事業場に備え付ける | 第57条第1項 |
| 危険有害業務 | 満18歳に満たない者を、厚生労働省令で定める危険な業務や、毒劇物など有害な原料を取り扱う業務などに就かせてはならない。対象の範囲は厚生労働省令で定める | 第62条 |
| 最低年齢 | 児童が満15歳に達した日以後の最初の3月31日が終了するまでは使用してはならない。例外として、別表第一第一号から第五号までの事業以外で、健康・福祉に有害でなく軽易な職業は、行政官庁の許可を受けて満13歳以上を修学時間外に使用できる | 第56条 |
美容所の業務のうち、どの作業が第62条の省令で定める有害業務に当たるか(パーマ剤・染毛剤などの薬剤の扱いを含む)は、省令を今回確認していないため、このページでは述べません。美容所が第61条第4項などの適用除外の事業に当たるかも確認していません。個別の雇い方は、労働基準監督署に確かめてください。
確認できた範囲の整理
| 論点 | 確認できたこと | 確認できていないこと |
|---|---|---|
| 年齢の下限 | 美容師法・施行規則に「年齢」「未成年」の語を含む条はない | 通知・指定規則に年齢の定めがあるか |
| 受験の入口 | 学校教育法第90条の者で、指定の養成施設で定められた期間以上修得(第4条第3項) | 養成施設の入学年齢の扱い |
| 免許前の施術 | 第6条が美容の業を禁止。有料・無料は問わない(厚労省) | 学生・未成年であることによる例外 |
| 養成施設の授業としての実習 | ― | 美容師養成施設指定規則の内容(今回未確認) |
| 18歳未満の就労条件 | 労働基準法第56条・第57条・第60条・第61条・第62条の定め(上の表) | 第62条の省令の範囲、美容所への当てはめ、割増賃金など上の表にない定め |
個別の場面が第6条に当たるかどうかは、反復継続の意思などの事情によるため、このページでは断定しません。迷うときは、在籍する養成施設と、所在地の保健所(生活衛生担当)の窓口に確かめてください。
取得・確認の記録: 美容師法第3条・第4条・第6条・第18条、美容師法施行規則、学校教育法第90条、厚生労働省「美容師法の概要」を2026-10-09に確認。年少者の節は、労働基準法第33条・第56条・第57条・第60条・第61条・第62条と厚生労働省「年少者に関する特別規制」を2026-10-14に確認。
よくある質問
美容師法に、美容師になれる年齢の下限はありますか?
美容師法と美容師法施行規則を条文検索した結果、「年齢」「未成年」の語を含む条はありませんでした(2026-10-09、e-Gov法令検索)。ただし第4条第3項は、試験を受けられる人を、学校教育法第90条に規定する者で、都道府県知事の指定した美容師養成施設で厚生労働省令で定める期間以上学んだ人に限っています。年齢そのものの定めはなくても、受験までの要件は別にあります。
免許のない学生が、サロンのアルバイトでお客様に施術してもよいですか?
美容師法第6条は「美容師でなければ、美容を業としてはならない」と定めています。厚生労働省は、業とは反復継続の意思をもって行うことで、有料・無料は問わないと説明しています。学生かどうかや年齢を理由に第6条の対象から外す文言は、確認できていません。作業ごとの確認状況は無免許アシスタントの作業範囲のページにあります。
養成施設の授業としての実習は、第6条の対象になりますか?
養成施設の実習の時間数や内容を定める美容師養成施設指定規則は、今回確認していません。そのため、授業としての実習が第6条との関係でどう扱われるかは、このページでは述べません。在籍する養成施設と、所在地の保健所の窓口に確かめてください。
18歳未満の人が働く場合の労働法令上の制限は、このページでわかりますか?
一部わかります。労働基準法は、満18歳未満の人を午後10時から午前5時までの間に使用することを原則として禁止しています。また、時間外・休日労働も原則として禁止し、非常災害時などに限って例外があります。詳しくは本文の表を見てください。個別の雇い方は労働基準監督署に確かめてください。
回答は、このページ本文の原文確認の範囲だけに基づきます。美容師法などは2026-10-09、年少者に関する労働基準法と厚生労働省資料は2026-10-14に確認しました。