参照した公式資料
一次情報: e-Gov法令検索「民法」第415条・第709条・第710条・第715条、「美容師法」本則の検索(確認日: 2026-10-12)。
確認できた結論
- 施術で客にけがをさせたり物を壊したりしたときの賠償責任は、民法の不法行為(第709条)と使用者責任(第715条)、契約上の債務不履行(第415条)が根拠になります。美容師法の本則には、「賠償」「保険」の語を含む条はありません(e-Gov法令検索で確認)。
- けがの慰謝料のような財産以外の損害も、賠償の対象になります(民法第710条)。
- 従業員が事業の執行で第三者に加えた損害は、使用者(美容所の事業者)が賠償する責任を負います(民法第715条第1項)。ただし書きに、選任・監督について相当の注意をしたときなどの例外があります。
- 美容師賠償責任保険や生活衛生同業組合の補償制度の内容は、今回、公的機関・組合の公式な案内を確認できませんでした。そのため、保険の対象範囲・保険料・免責は書きません。
民法の定め
| 箇所 | 原文 |
|---|---|
| 第709条 | 故意又は過失によって他人の権利又は法律上保護される利益を侵害した者は、これによって生じた損害を賠償する責任を負う。 |
| 第710条 | 他人の身体、自由若しくは名誉を侵害した場合又は他人の財産権を侵害した場合のいずれであるかを問わず、前条の規定により損害賠償の責任を負う者は、財産以外の損害に対しても、その賠償をしなければならない。 |
| 第715条第1項 | ある事業のために他人を使用する者は、被用者がその事業の執行について第三者に加えた損害を賠償する責任を負う。ただし、使用者が被用者の選任及びその事業の監督について相当の注意をしたとき、又は相当の注意をしても損害が生ずべきであったときは、この限りでない。 |
| 第715条第3項 | 前二項の規定は、使用者又は監督者から被用者に対する求償権の行使を妨げない。 |
| 第415条第1項 | 債務者がその債務の本旨に従った履行をしないとき又は債務の履行が不能であるときは、債権者は、これによって生じた損害の賠償を請求することができる。ただし、その債務の不履行が契約その他の債務の発生原因及び取引上の社会通念に照らして債務者の責めに帰することができない事由によるものであるときは、この限りでない。 |
どの事故でどの条文が使われ、どちらにどれだけの責任が生じるかは、事故の事情で変わります。このページでは個別の事故への当てはめを行いません。
美容師法に賠償・保険の規定があるか
e-Gov法令検索で美容師法(昭和32年法律第163号)を検索したところ、「賠償」を含む条は0件、「保険」を含む条も0件でした(2026-10-12)。美容師・美容所の賠償責任は、美容師法ではなく、民法などの一般の定めで扱われます。
賠償責任保険・組合の補償制度について確認できなかったこと
- 全国の美容業の同業組合連合会や都道府県の美容組合が、賠償に関する補償制度を設けているか、その対象や条件。公式な案内を今回の確認では取得できていません。
- 民間の賠償責任保険の対象範囲・保険料・免責。保険商品は保険会社の約款で決まります。このサイトは保険商品の紹介・仲介をしません。
加入を検討するときは、加入先の約款と、所属する組合・保険会社の公式案内で、対象となる事故と免責を確かめてください。
このページで確認していないこと
- 賠償額の算定や過失割合。
- 面貸し・業務委託で働く美容師と、美容所の開設者の間での責任の分け方。
- 染毛剤・パーマ液による健康被害が出たときの行政上の相談先・報告先(別のページにあります)。
法令の最新の文言は、e-Gov法令検索の民法と美容師法で確かめてください。確認日は2026-10-12です。
次に読むページ
- 組合の共済など、業界団体の事業を確かめたいとき:美容業の生活衛生同業組合の加入(任意)・事業・脱退
- 染毛剤・パーマ液による健康被害の相談先と報告先を確かめたいとき:美容所で健康被害が出たときの相談先と報告先
- 客からの苦情や迷惑行為に対する事業主の義務を確かめたいとき:カスタマーハラスメントと美容所の事業主の義務
- 面貸し・業務委託の美容師の立場を確かめたいとき:面貸し・業務委託の美容師は労働者か
- 施術前のパッチテストの根拠を確かめたいとき:染毛剤のパッチテストと法的義務
よくある質問
施術で客にけがをさせたとき、美容師は賠償責任を負いますか?
民法第709条は、故意又は過失によって他人の権利又は法律上保護される利益を侵害した者は、損害を賠償する責任を負うと定めています。第710条により、慰謝料のような財産以外の損害も対象です。個別の事故で責任が生じるかは、このページでは判断しません。
従業員の施術で起きた事故は、美容所の事業者が責任を負いますか?
民法第715条第1項は、事業のために他人を使用する者は、被用者がその事業の執行について第三者に加えた損害を賠償する責任を負うと定めています。選任・監督について相当の注意をしたときなどは例外です。
美容師賠償責任保険への加入は法律で義務づけられていますか?
e-Gov法令検索で確認したところ、美容師法の本則に「保険」を含む条はありません。加入を求める条文は今回確認できていません。保険の内容は加入先の約款で確かめてください。