結論:重複開設の条件・届出先・検査手数料
- 条件: 理容所と美容所の両方の衛生上の要件を満たし、施術する人が全員、理容師と美容師の両方の免許を持っていること(東京都島しょ保健所のてびき)。
- 始まった時期: 平成28年4月1日から、特定の条件を満たす施設に限って同一の場所で開設できるようになったと、てびきは案内しています。
- 届出先: 開設の届出は保健所に出します。事前相談、書類の提出、施設の検査、保健所長の確認の順に進みます。
- 検査手数料: てびきでは48,000円(すでにある理容所または美容所を重複開設にする場合は24,000円)。額は自治体ごとに違うことがあります。
各項目の根拠と、他の自治体で確認できていない点は、以下の節に書いています。
理容所と美容所を同じ場所で開く「重複開設」とは
理容所と美容所は、以前は同じ場所に両方を開くことができませんでした。東京都島しょ保健所の「重複開設のてびき」は、平成28年4月1日から、特定の条件を満たす施設に限って、同一の場所で理容所と美容所を開設できるようになったと案内しています。この制度を、このページでは「重複開設」と呼びます。
てびきが示す条件は次の2つです。
| 条件 | てびきの内容 |
|---|---|
| 施設 | 理容所と美容所の両方に必要な衛生上の要件を満たしていること |
| 人 | 施術する人が全員、理容師と美容師の両方の資格を持つ人だけの事業所であること |
つまり、美容師だけの店に理容師を1人加えるだけでは足りません。施術者全員が両方の免許を持っていることが前提です。美容師免許だけを持つ人の業務の範囲は理容師と美容師の業務範囲で、両方の免許を得る道筋は理容修得者課程で扱っています。
施行規則に出てくる重複開設の記載(第19条)
美容師法施行規則の第19条は、美容所の開設の届出に書く事項を定めています。そのうち第8号と第9号は、同じ場所に理容所がある場合の記載です。
- 第8号: 開設する美容所と同じ場所で、すでに理容所が開設されている場合は、その理容所の名称
- 第9号: 開設する美容所と同じ場所で、理容師法の開設の届出がされている場合は、その理容所の開設予定年月日(美容所の届出と同時に理容所の届出をする場合を含みます)
届出書の上でも、同じ場所の理容所と美容所を結びつけて書く形になっています。届出の基本は美容所の開設の届出で整理しています。
開設までの流れと必要書類(東京都島しょ保健所の例)
同じてびきは、開設までを4つの段階で説明しています。
- 事前相談: 構造設備などについて、図面を持って保健所に相談します
- 書類の提出: 日数に余裕をもって届け出ます
- 施設の検査: 施設ができたら、保健所の職員が設備の基準に合っているかを検査します
- 開店: 検査に適合し、保健所長の確認を得ると開店できます。後日、確認済証が交付されます
開設時に必要な書類として、てびきが挙げているものは次のとおりです。
- 理容所及び美容所の開設届
- 構造設備の概要、施設の平面図、従業者名簿
- 有資格者の理容師免許証と美容師免許証(原本を提示)
- 有資格者の医師の診断書(結核と伝染性皮膚疾患でないことがわかる、3か月以内のもの)
- 管理理容師と管理美容師の講習修了証(有資格者が複数人いる場合。1人が兼務できると書かれています)
- 検査手数料
- 開設者が法人なら登記事項証明書(6か月以内)、外国人なら国籍等が記載された住民票の写し
検査手数料は、てびきでは48,000円です。すでにある理容所または美容所を重複開設の施設にする場合は、どちらか一方の届出を追加で出し、その場合の手数料は24,000円と書かれています。手数料や書類は自治体ごとに違うことがあるため、この金額は東京都島しょ保健所のてびきに限った情報です。
作業室の広さといすの台数(同じてびきの例)
てびきの構造設備の例では、作業室について次のように示されています。
- 1つの作業室は13平方メートル以上にします。面積は内法(壁の内側)で測ります
- 作業いすは、作業室が13平方メートルのとき3台までです。1台増やすごとに4.9平方メートルを加えた面積以上にします
- 作業面の明るさは100ルクス以上、炭酸ガス濃度は0.5%以下にします
すでに美容所を開いている店が理容所を重複開設するときは、作業いすの台数に注意するようにとも書かれています。ほかの自治体の広さの基準は、このページでは確認していません。
他の自治体の例(大分市保健所の手引き、令和8年7月)
大分市保健所衛生課の「理容所・美容所の手引き」(令和8年7月)にも、重複開設の節があります。東京都のてびきと同じ2つの条件が書かれています。
| 項目 | 大分市の手引きの記載 | 東京都島しょ保健所のてびきとの違い |
|---|---|---|
| 条件 | 理容所・美容所に必要な衛生上の要件をいずれも満たすこと、施術者全員が理容師・美容師両方の資格を持つ人のみの施設であること | 同じ2条件 |
| 届出 | 重複開設を行う場合は、理容所・美容所それぞれについて開設届を提出する | 島しょ保健所は「理容所及び美容所の開設届」として書類を挙げている |
| 検査手数料 | 手引きの開設届出の手続きに「理容所・美容所検査手数料 16,700円(現金・開設届出時に必要)」とある。重複開設に限った額かどうかは、手引きの重複開設の節からは読み取れない | 島しょ保健所は重複開設で48,000円、追加の場合は24,000円 |
| 検査後 | 施設が基準に適合していれば、1週間程度で検査確認済証を交付する | 島しょ保健所は検査後に確認済証が交付される |
2つの自治体で条件は同じでしたが、手数料の額は読み取れた範囲でも違います。額は自治体ごとに決まるため、所在地の保健所に確かめてください。
この制度の届出で未確認の点
| 確認したいこと | このページで確認できたこと | 確認できていないこと |
|---|---|---|
| 他の自治体の手続き・手数料 | 東京都島しょ保健所のてびきと、大分市保健所の手引きの内容 | 上記2か所以外の自治体の額と手順は確認していません。横浜市の資料は取得できず確認していません。名古屋市のページには、重複開設の記載を見つけられませんでした。所在地の保健所にご確認ください |
| 重複開設を定めた省令改正の条文 | 施行規則第19条の第8号・第9号に、同じ場所の理容所の記載があること | 平成28年の改正の正式名称や、理容師法側の条文は確認していません |
| 従業者が増えたとき・辞めたとき | てびきに「従業者変更届」の案内があること | 両方の免許を持たない人を新しく雇えるかは、てびきの条件(全員が両方の資格者)から読み取れる範囲にとどめます。個別の判断は保健所にご確認ください |
開いたあとの届出は美容所の変更・廃止・承継の届出で扱っています。
よくある質問
美容師が1人で理容所と美容所を同じ場所に開けますか?
1人の店でも、その人が理容師免許と美容師免許の両方を持っていれば、東京都島しょ保健所のてびきが示す「施術者全員が両方の資格を持つ」という条件には当てはまります。そのほかに、理容所と美容所に必要な衛生上の要件も満たす必要があります。実際に開けるかどうかは、所在地の保健所の検査で決まります。
重複開設の検査手数料はいくらですか?
東京都島しょ保健所のてびきでは、検査手数料は48,000円です。すでにある理容所または美容所を重複開設の施設にする場合は、24,000円と書かれています。大分市の手引きには、重複開設に限らない検査手数料として16,700円(現金)が載っています。ほかの自治体の金額は確認していないため、所在地の保健所にご確認ください。
美容所の開設届に、理容所のことも書くのですか?
同じ場所にすでに理容所がある場合は、その名称を書きます。同じ場所で理容師法の開設の届出がされている場合は、その理容所の開設予定年月日を書きます(美容師法施行規則第19条第1項第8号・第9号)。
参照した公式資料
出典を開き直して本文と照合した確認日2026-10-12(2026-10-10取得)。大分市の手引きは2026-10-19に原文PDFを確認。美容師法施行規則第19条を確認。
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- 開設の届出の基本を確かめたいとき:美容所の開設の届出・構造設備の確認・管理美容師
- 管理美容師の要件を確かめたいとき:管理美容師の資格要件・講習会
- 開設後の届出を確かめたいとき:美容所の変更・廃止・承継の届出