国の法令に掲示の定めはなく、備えるのは設備
美容所で「何を掲示し、何を備え付けるか」を、国の法令と通知の原文で確かめた結果は次のとおりです。条文の語句検索は、e-Gov法令検索で2026-10-07に行いました。
| 確かめたこと | 結果 | 根拠 |
|---|---|---|
| 美容師法の条文に「掲示」を含む条 | 0件 | 美容師法(本則51条) |
| 美容師法施行規則の条文に「掲示」を含む条 | 0件 | 施行規則(本則33条) |
| 美容師法施行令の条文に「掲示」を含む条 | 0件 | 施行令 |
| 施行規則の条文に「帳簿」を含む条 | 0件 | 施行規則 |
| 美容所で免許証を掲げる・携帯するよう定めた条 | 確認できず(「免許証」を含む条は、免許の登録・交付・書換え・再交付・返納の定めだった) | 美容師法第5条の2・第5条の4・第5条の6、施行規則第2条・第5条〜第7条・第9条 |
つまり、免許証や帳簿を美容所に掲示・備え付けるよう求める国の条文は、確認できませんでした。一方、設備を備えることは条文と通知に書かれています。
条文に書かれている「備える」もの
| 備えるもの | 条文の書き方 | 根拠 |
|---|---|---|
| 消毒設備 | 美容所の開設者は「消毒設備を設けること」の措置を講じなければならない | 美容師法第13条第2号 |
| ふた付きの汚物箱・毛髪箱 | 「ふた付きの汚物箱及び毛髪箱を備えること」(清潔保持の措置の1つ) | 施行規則第26条第3号 |
| 流水装置の洗場 | 「洗場は、流水装置とすること」 | 施行規則第26条第2号 |
| 不浸透性材料の床・腰板 | 床及び腰板にコンクリート、タイル、リノリューム又は板等不浸透性材料を使用すること | 施行規則第26条第1号 |
美容師法第13条第4号は、そのほか「都道府県が条例で定める衛生上必要な措置」を開設者が講じるよう求めています。条例の中身は都道府県ごとに違うため、本サイトでは確認していません。掲示や書類の備え付けが条例で求められているかどうかは、所在地の保健所・都道府県の案内で確かめてください。
衛生管理要領が「備える」としている項目
昭和56年6月1日の厚生省環境衛生局長通知「理容所及び美容所における衛生管理要領について」(環指第95号)の「第2 施設及び設備」に、備えることを求める項目があります。
| 要領の項目 | 書かれていること(要旨) |
|---|---|
| 第2の13 | 作業に伴って出る汚物・廃棄物を入れる、ふた付きの汚物箱又は毛髪箱等を備えること |
| 第2の14 | 皮膚に接する器具類を、消毒済みのものと未消毒のものを区別するための収納ケース等を備えること |
| 第2の15 | 器具類、布片類及びタオル等を消毒する設備又は器材を備えること |
| 第2の16 | 器具類及び布片類は、十分な量を備えること |
| 第3の1(10) | 手洗い設備には、手洗いに必要な石ケン、消毒液等を備え、清潔に保持し、常に使用できる状態にしておくこと |
この要領は、都道府県知事などにあてた監視指導の指針です。令和6年6月26日の一部改正で変わった2か所は衛生管理要領の改正にまとめています。上の項目は、改正前の昭和56年の通知本文で確認しました。
書類の提示が出てくるのは、立入検査のとき
美容師法第14条は、都道府県知事が職員に美容所へ立ち入って措置の実施状況を検査させることができるとし、第4条の13第2項・第3項を準用しています。第4条の13第2項は、検査を行う職員が「身分を示す証明書を携帯し、関係者の請求があつたときは、これを提示しなければならない」と定めています。提示するのは検査する側の証明書で、美容所側が免許証を提示する義務を定めた文は、この条文にはありません。手順は立入検査と閉鎖命令にあります。
この記載からわからないこと
- 都道府県や政令市の条例・規則が、免許証の掲示や書類の備え付けを求めているかどうかは、本サイトでは確認していません。
- 保健所への届出で受け取る書類を掲げる運用が自治体にあるかどうかは確認していません。開設の届出そのものは美容所の開設の届出、免許と美容所の届出の期限は免許と美容所の手続き一覧にあります。
- ほかの国の法令(労働関係など、美容所以外にも共通する決まり)は、本サイトの確認範囲外です。
- 美容所の義務の全体は美容所の義務の早見表、器具の消毒の方法は器具の消毒方法で確認できます。
- 個々の美容所が備え付けを満たしているかどうかの判断は、本サイトでは行いません。保健所などにご確認ください。
よくある質問
美容所に美容師免許証を掲示する義務は、国の法令にありますか?
美容師法と美容師法施行規則の条文本文を「掲示」で検索した結果は0件でした(e-Gov法令検索、2026-10-07取得)。免許証の掲示を美容所に求める国の条文は確認できていません。都道府県の条例(美容師法第13条第4号)で定めているかどうかは、本サイトでは確認していないため、所在地の保健所にご確認ください。
美容所に備えなければならないものは何ですか?
美容師法第13条第2号は消毒設備を設けること、同施行規則第26条第3号はふた付きの汚物箱及び毛髪箱を備えることを定めています。衛生管理要領には、器具類や布片類の消毒設備・器材、十分な量の器具類・布片類などを備える項目があります。
美容所で帳簿をつけて保存する義務はありますか?
美容師法の帳簿の備付けと保存の規定(第4条の11)は、美容師試験の事務を行う指定試験機関に向けたものです。美容師法施行規則の条文本文を「帳簿」で検索した結果は0件でした(2026-10-07取得)。美容所の開設者に帳簿の備付けを求める国の条文は確認できていません。
一次情報: e-Gov法令検索「美容師法」第4条の11・第4条の13・第5条の2・第13条・第14条、「美容師法施行規則」第2条・第26条、「美容師法施行令」(美容師法・施行規則・施行令、取得 2026-10-07、語句検索の結果を含む)。厚生省環境衛生局長通知「理容所及び美容所における衛生管理要領について」昭和56年6月1日 環指第95号(https://www.mhlw.go.jp/content/11130500/001403692.pdf)。確認日: 2026-10-07。