結論:開設届・毎月の納付・年末調整の3手続を確かめる
確認日は2026-10-15です。この内容は美容所に限らない一般制度で、美容師法とは別の、国税(所得税)の話です。国税庁の資料で確かめられたことは次の4点です。
- 給与等の支払事務を取り扱う事務所等を開設、移転又は廃止した給与の支払者は、その事実があった日から1か月以内に、所在地の所轄税務署へ届け出ます(A2-7)。
- 源泉徴収した所得税及び復興特別所得税は、原則として給与を実際に支払った月の翌月10日までに納めます(No.2505)。
- 給与の支給人員が常時10人未満の源泉徴収義務者は、納期の特例の承認を受けると、半年分をまとめて7月10日と翌年1月20日に納められます。
- 年末調整は、12月に行う場合、「給与所得者の扶養控除等(異動)申告書」を提出している人のうち、1年を通じて勤務している人などが対象です(No.2665)。
国税庁の資料に美容所を名指しした記述は確認できませんでした。労働保険・社会保険は開業前のチェックリストで扱っており、給与の源泉徴収はそれとは別の手続です。
手続の順番と期限
| 手続 | 提出・納付先 | 期限(国税庁の記載) |
|---|---|---|
| 給与支払事務所等の開設・移転・廃止の届出 | 事務所等の所在地の所轄税務署(移転は移転前の所在地) | 開設、移転又は廃止の事実があった日から1か月以内 |
| 源泉所得税の納付 | 国(税務署等) | 原則、給与を支払った月の翌月10日まで |
| 納期の特例の承認申請(常時10人未満) | 給与等を支払う事務所等の所在地の所轄税務署長 | 申請書を提出した月の翌月末日に承認があったものとみなされ、提出した月の翌月に源泉徴収する分から適用 |
| 年末調整 | (給与の支払者が行う) | 12月に行う場合、その年の1月1日から12月31日までに支払うべきことが確定した給与を対象に精算 |
届出書の名称は、「給与支払事務所等の開設・移転・廃止届出書」と、「源泉所得税の納期の特例の承認に関する申請書」です。提出方法は、国税庁の案内でe-Taxソフトでの作成・提出が案内され、書面は持参又は送付とされています。
納期の特例
国税庁のタックスアンサー(No.2505)の記載は次のとおりです。
- 対象は、給与の支給人員が常時10人未満の源泉徴収義務者です。
- 対象になる税は、給与や退職金から源泉徴収した所得税及び復興特別所得税と、税理士、弁護士、司法書士などの一定の報酬から源泉徴収した所得税及び復興特別所得税に限られます。
- 承認を受けると、1月から6月に源泉徴収した分は7月10日、7月から12月に源泉徴収した分は翌年1月20日が納付期限です。
- 給与の支給人員が常時10人以上になり要件に該当しなくなったときは、「源泉所得税の納期の特例の要件に該当しなくなったことの届出書」を提出します。
パート・アルバイトや見習いの人数を「常時10人未満」の数に入れるかは、このページでは確認していません。税務署の相談窓口で確かめてください。
年末調整の対象と時期
年末調整は、毎月の給与から源泉徴収した所得税及び復興特別所得税の合計額と、その人が1年間に納めるべき税額との差額を精算する手続です(No.2662)。国税庁の記載は次のとおりです。
- 対象は、「給与所得者の扶養控除等(異動)申告書」を年末調整を行う日までに提出している一定の人です。
- 12月に行う場合の対象は、会社などに1年を通じて勤務している人と、年の中途で就職し年末まで勤務している人です。
- 1年間に支払うべきことが確定した給与の総額が2,000万円を超える人は、対象から除かれます。
- 年の中途で退職した人は、死亡退職など一定の場合を除いて、年末調整の対象になりません。
給与所得者の扶養控除等(異動)申告書は、その年の最初に給与の支払を受ける日の前日(中途就職は就職後最初の給与の前日)までに、給与の支払者へ提出するとされています(A2-1)。受け取った申告書は、提出期限の属する年の翌年1月10日の翌日から7年間、源泉徴収義務者が保存します(No.2503)。
令和8年分の年末調整で国税庁が挙げている見直し
国税庁の「年末調整がよくわかるページ(令和8年分)」は、本年の年末調整で次の見直し等に注意するよう案内しています(確認日2026-10-31)。各項目の金額・要件の細目は、このページでは確認していないため載せていません。国税庁の「昨年と比べて変わった点」(PDF)で確かめてください。
- 基礎控除の引上げ
- 給与所得控除の最低保障額の引上げ
- 扶養親族等の所得要件の改正
- 年齢23歳未満の扶養親族を有する場合の生命保険料控除の特例の創設
なお、本ページの「年末調整の対象」の記載は、国税庁のNo.2662・No.2665(令和8年4月1日現在法令等)と2026-10-31に照合し、変わっていません。
このページで確認していないこと
- 源泉徴収税額表による毎月の税額の求め方、年末調整の計算の細目、法定調書や給与支払報告書(市区町村への提出)の期限。
- 個人事業主が最初に出す開業の届出など、給与の源泉徴収以外の税務手続。
- 業務委託・面貸しで働く美容師への支払に源泉徴収が必要か。労働者かどうかの判断は別ページ(面貸し・業務委託の美容師は労働者か)で扱っていますが、税の取扱いは確認していません。
- 個別の事業所の届出が必要か、納期の特例の対象になるか。税務署の相談窓口で確かめてください。
よくある質問
従業員に給与を払い始めた美容所は、税務署にどんな届出をしますか?
国税庁の手続案内(A2-7)では、給与等の支払事務を取り扱う事務所等を開設、移転又は廃止した給与の支払者は、その事実があった日から1か月以内に、事務所等の所在地の所轄税務署へ「給与支払事務所等の開設・移転・廃止届出書」を提出します(確認日2026-10-15)。
源泉徴収した所得税は、いつまでに納めますか?
国税庁のタックスアンサー(No.2505)では、原則として給与を実際に支払った月の翌月10日までに納めます。給与の支給人員が常時10人未満の源泉徴収義務者は、「源泉所得税の納期の特例の承認に関する申請書」を提出して承認されると、1月から6月分は7月10日、7月から12月分は翌年1月20日が納付期限になります(確認日2026-10-15)。
年末調整は、いつ、だれに対して行いますか?
国税庁のタックスアンサー(No.2665)では、年末調整の対象は「給与所得者の扶養控除等(異動)申告書」を提出している人で、12月に行う場合は1年を通じて勤務している人や年の中途で就職し年末まで勤務している人です。1年間に支払うべきことが確定した給与の総額が2,000万円を超える人は対象外です(確認日2026-10-15)。
この手続は、美容師法や美容業に特有のものですか?
特有のものではありません。国税庁の上記の資料は、業種を問わず給与を支払う源泉徴収義務者に共通の一般制度として書かれており、美容所を名指しした記述は確認できませんでした(確認日2026-10-15)。
関連ページ
- 開業前に確かめる手続全体:美容所の開業前の確認チェックリスト
- 運営で関わる相談先:美容所の運営の相談先・所管早見表
- 従業者の届出:美容所の従業者の届出(入職・異動・退職)と管理美容師の兼任
- 労働者かどうか:面貸し・業務委託の美容師は労働者か
参照した公式資料
- 国税庁「A2-7 給与支払事務所等の開設・移転・廃止の届出」
- 国税庁タックスアンサー「No.2505 源泉所得税及び復興特別所得税の納付期限と納期の特例」(令和8年4月1日現在法令等)
- 国税庁タックスアンサー「No.2662 年末調整のしかた」
- 国税庁タックスアンサー「No.2665 年末調整の対象となる人」
- 国税庁「年末調整がよくわかるページ(令和8年分)」
- 国税庁タックスアンサー「No.2503 給与所得者の扶養控除等申告書等の保存期間」
- 国税庁「A2-1 給与所得者の扶養控除等の(異動)申告」
確認日2026-10-15(令和8年分の見直しの節と年末調整の対象の照合は2026-10-31)。国税庁の上記ページと「年末調整がよくわかるページ(令和8年分)」を確認。