結論:要件を満たす申出を事業主は拒めない
確認日は2026-10-14です。厚生労働省「育児・介護休業法のあらまし」(令和7年4月1日・10月1日施行対応)と、雇用保険の育児休業等給付のページで確かめられたことは次のとおりです。美容所に限った規定は、確認した資料にはありません。以下は美容所を含む全業種に共通する内容です。
- 育児休業は、労働者が原則として1歳に満たない子を養育するためにする休業です。対象は労働者(日々雇用を除く)です。
- 事業主は、要件を満たした労働者の育児休業の申出を拒むことはできません。ただし、継続して雇用された期間が1年に満たない労働者などを対象外とする労使協定があるときは、その労働者の申出は拒めます。
- 1歳までの育児休業は、希望どおりの日から休むには原則として開始しようとする日の1か月前までに申し出ます。
- 介護休業は、要介護状態(2週間以上の期間にわたり常時介護を必要とする状態)にある対象家族を介護するための休業で、通算93日、3回まで分割できます。
- 休業中の給付は、雇用保険の育児休業等給付(育児休業給付金など)の仕組みがあります。支給の要件と金額は、このページでは確認していません。
産前産後の休業と就業制限は、育児休業とは別の制度(労働基準法)です。妊娠中・産後の美容師の就業制限で整理しています。
取得できる人(あらまし「制度の概要」・事業主の義務)
| 項目 | 育児休業 | 介護休業 |
|---|---|---|
| 休業の定義 | 労働者が原則として1歳に満たない子を養育するためにする休業 | 労働者が要介護状態(負傷、疾病又は身体上若しくは精神上の障害により、2週間以上の期間にわたり常時介護を必要とする状態)にある対象家族を介護するためにする休業 |
| 対象労働者 | 労働者(日々雇用を除く) | 労働者(日々雇用を除く) |
| 有期雇用の場合 | 申出時点で、子が1歳6か月(2歳までの休業の場合は2歳)に達する日までに労働契約(更新される場合は更新後の契約)の期間が満了し、更新されないことが明らかでないこと | 申出時点で、介護休業取得予定日から起算して93日を経過する日から6か月を経過する日までに労働契約(更新される場合は更新後の契約)の期間が満了し、更新されないことが明らかでないこと |
| 労使協定で対象外にできる労働者 | 継続して雇用された期間が1年に満たない労働者、そのほか合理的な理由があると認められる労働者(申出の日から1年以内に雇用関係が終了することが明らかな労働者、1週間の所定労働日数が2日以下の労働者) | 未確認(介護休業の除外要件は、このページでは確認していない) |
| 期間・回数 | 原則1歳まで(延長の要件は別にあり、このページでは未確認) | 通算93日、3回まで分割可 |
あらまし(ポイント解説)は、法律に示されたより労働者に有利な条件を事業所で設けることは差し支えない、としています。介護休業の「対象家族」は、育児・介護休業法第2条第4号で「配偶者(婚姻の届出をしていないが、事実上婚姻関係と同様の事情にある者を含む。)、父母及び子(これらの者に準ずる者として厚生労働省令で定めるものを含む。)並びに配偶者の父母」と定められています(e-Gov法令検索、確認日: 2026-10-15)。「準ずる者」の範囲は省令の定めで、このページでは確認していません。
申出の期限
- 1歳までの育児休業:希望どおりの日から休むには、原則として育児休業を開始しようとする日の1か月前までに申し出る。
- 1歳以降の育児休業:1歳(または1歳6か月)到達日以前に申し出る場合は、開始予定日の2週間前までに申し出れば希望どおりの日から休める。到達日より後に申し出る場合は1か月前まで。
- これより遅れた場合、事業主は一定の範囲で休業を開始する日を指定できる。
- 産後パパ育休(出生時育児休業):出生後8週間以内に取れる休業で、2週間前までに申し出る。
あらまし(原文)は、いつ申し出るかは労働者の任意で、早めに申し出ることを強制してはいけない、とも書いています。介護休業については、法第12条第3項が、介護休業開始予定日が申出があった日の翌日から起算して2週間を経過する日より前であるときは、事業主がその日までの間のいずれかの日を開始予定日として指定できると定めています(e-Gov法令検索、確認日: 2026-10-15)。申出の方法(書面等)は省令の定めで、このページでは確認していません。
事業主が行う周知と、休業中の給付・社会保険料
| 項目 | 確認できた記載 |
|---|---|
| 育児休業の個別周知・取得意向の確認(令和7年10月1日から) | 本人または配偶者の妊娠・出産等の申出があった場合に、事業主は①育児休業・産後パパ育休に関する制度、②その申出先、③育児休業給付、出生後休業支援給付に関すること、④休業期間中の社会保険料の取扱いを個別に周知し、取得意向を確認する義務(あらまし) |
| 介護休業の個別周知・取得意向の確認(令和7年4月1日から) | 介護に直面した旨の申出があった場合に、介護休業に関する制度・介護両立支援制度等、その申出先、介護休業給付金に関することを個別に周知し、取得意向を確認する義務(あらまし) |
| 育児休業等給付 | 要件を満たす場合に、出生時育児休業給付金、育児休業給付金、出生後休業支援給付金、育児時短就業給付金が支給される(厚生労働省「育児休業等給付について」) |
| 就業規則への記載 | 育児休業・介護休業中の待遇、休業後の賃金・配置などをあらかじめ就業規則等に定めて周知する努力義務(あらまし) |
| 育児・介護のための時間外労働の制限 | 小学校就学の始期に達するまでの子を養育する労働者または要介護状態の対象家族を介護する労働者が請求したときは、事業主は制限時間(1か月24時間、1年150時間)を超えて労働時間を延長してはならない。開始の日の1か月前までに請求する。事業の正常な運営を妨げる場合は事業主は拒める(あらまし)。割増賃金は残業・休日・深夜の割増賃金と36協定を参照 |
育児休業給付金の支給額の計算例(令和8年8月1日改訂版)
厚生労働省の資料は、育児休業給付金を「休業開始時賃金日額×支給日数×67%(育児休業の開始から181日目以降は50%)」で計算すると書いています。支給日数は原則30日です。休業開始時賃金日額は、休業前の賃金から決まる日額のことです。次の表は、この式に賃金日額10,000円(同資料の計算例と同じ数字)を当てはめた例です。賃金が支払われない月を前提にしています。
| 項目 | 計算 | 金額 |
|---|---|---|
| 181日目まで(67%)の1か月分 | 10,000円×30日×67% | 201,000円 |
| 181日目以降(50%)の1か月分 | 10,000円×30日×50% | 150,000円 |
| 出生後休業支援給付金(13%・28日分、条件を満たす場合の上乗せ) | 10,000円×28日×13% | 36,400円 |
賃金日額には上限と下限があります。令和9年7月31日までの額は、上限16,540円、下限3,203円です。支給日数が30日の場合の支給上限額は、67%で332,454円(16,540円×30日×67%)、50%で248,100円です。支給下限額は67%で64,380円、50%で48,045円です。休業中に賃金が支払われると、支給額が下がる場合があります。出生後休業支援給付金には、本人と配偶者の休業日数などの要件があり、このページでは判断しません。
出典:厚生労働省「育児休業等給付の内容と支給申請手続」(2026(令和8)年8月1日改訂版、PDF)。確認日2026-10-15。上限額・下限額は毎年8月1日に改定されるため、申請前に最新の資料で確かめてください。
確認できたことと、できていないこと
| 論点 | 状態 | 根拠 |
|---|---|---|
| 育児休業の対象者・有期雇用の要件・労使協定による除外 | 確認できた | 育児・介護休業法のあらまし |
| 育児休業・産後パパ育休の申出期限 | 確認できた | 同あらまし |
| 介護休業の定義・通算93日・3回 | 確認できた | 同あらまし |
| 介護休業の対象家族の範囲(法律の定め)・開始日の指定が可能となる申出時期 | 確認できた(2026-10-15) | 育児・介護休業法第2条第4号・第12条第3項(e-Gov法令検索) |
| 介護休業の対象家族に準ずる者の範囲・申出の方法・除外要件 | 未確認 | 省令・あらましの該当箇所は今回確認していない |
| 育児休業給付金・介護休業給付金の支給要件と金額 | 未確認(給付の種類の存在のみ確認) | 厚生労働省「育児休業等給付について」の本文には要件・金額の記載を確認できなかった |
| 育児休業等期間中の健康保険・厚生年金保険の保険料免除 | 確認できた(2026-10-15) | 日本年金機構「厚生年金保険料等の免除(産前産後休業・育児休業等期間)」 |
| 介護休業中の社会保険料の扱い | 未確認 | 日本年金機構の同ページが免除の対象とするのは育児休業等で、介護休業は確認できなかった |
| 美容業に限った育児休業・介護休業の特例 | 未確認(確認した資料に美容業の規定はない) | 本文は全業種共通の記載 |
| 面貸し・業務委託で働く人が対象になるか | このページでは判断しない | 制度の対象は「労働者」。労働者かどうかは面貸し・業務委託の美容師の労働者性を参照 |
参照した公式資料
- 厚生労働省「育児・介護休業法のあらまし」(令和7年4月1日、10月1日施行対応)
- 厚生労働省「育児休業等給付について」
- 厚生労働省「育児休業等給付の内容と支給申請手続」(2026(令和8)年8月1日改訂版)
- e-Gov法令検索「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(第2条・第11条・第12条)
- 日本年金機構「厚生年金保険料等の免除(産前産後休業・育児休業等期間)」
確認日2026-10-14(法令条文と日本年金機構の記載は2026-10-15)。あらまし(PDF)の「制度の概要」「事業主の義務」「申出期限」の各記載を原文で確認しました。このページは一般的な制度の整理で、個別の取得可否を示すものではありません。問い合わせ先は都道府県労働局の雇用環境・均等部(室)です。
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- 面貸し・業務委託の働き方との違いを確かめたいとき:面貸し・業務委託の美容師の労働者性
よくある質問
美容室で働くパート・アルバイトでも育児休業を取れますか?
厚生労働省のあらまし(令和7年4月・10月施行対応)は、育児休業の対象を労働者(日々雇用を除く)とし、有期雇用の場合は申出時点で、子が1歳6か月(2歳までの休業の場合は2歳)に達する日までに労働契約が満了し更新されないことが明らかでないことを要件としています。継続雇用1年未満などを対象外とする労使協定があるときは、その労働者の申出は拒まれます。
育児休業は、いつまでに申し出ればよいですか?
1歳までの育児休業は、希望どおりの日から休むには原則として開始しようとする日の1か月前までに申し出ます。1歳以降の育児休業は、1歳(または1歳6か月)到達日以前の申出なら開始予定日の2週間前までです。
育児休業中や介護休業中のお金は出ますか?
厚生労働省の「育児休業等給付について」は、要件を満たす場合に出生時育児休業給付金、育児休業給付金、出生後休業支援給付金、育児時短就業給付金が支給されるとしています。支給の要件と金額はこのページでは確認していません。