結論:回答が答えたのは「処方」と「自分で行う場合」と添付文書の留意

厚生労働省が令和7年4月18日に公表した「新事業活動に関する確認の求めに対する回答の内容」(照会は令和7年3月19日)は、オフィスホワイトニング(歯科医院で行う)とセルフホワイトニングサロンを組み合わせる事業についての回答です。回答の内容は次の3点です。

回答は美容師やサロンの従業員が他人の歯に施術する場合を扱っていません。美容師免許との関係は、回答からは直接読み取れません。

照会された事業の仕組み

回答に書かれた事業概要は次のとおりです。

  1. 利用者がクリニックで歯科医師の診察を受け、過酸化水素を歯面に塗布しても問題がないと診断された場合に限り、過酸化水素入りのホワイトニングジェルを処方され購入できる
  2. 利用者は同じ施設内のセルフホワイトニングサロンへ移動する
  3. 利用者が自分で粘膜保護のワセリンと処方されたジェルを塗り、自分で光照射器をセットして照射ボタンを押す

照会者は、従来のオフィスホワイトニングは歯科医師や歯科衛生士が過酸化水素入りのジェルを直接口腔内に塗るもの、セルフホワイトニングサロンは過酸化水素入りのジェルが使えず効果が低い、と整理しています。

回答の原文:自分自身の体に対して行う場合

歯科医療行為に関しては、個別の事例について、一概にお答えすることはできないが、一般論として、歯科医行為に該当する可能性のある行為であっても、自ら自身の体に対して実施する場合においては、歯科医師法(昭和23年法律第202号)第17条に違反しないものと考えられる。

出典: 厚生労働省「新事業活動に関する確認の求めに対する回答の内容の公表」(令和7年4月18日回答)

回答は続けて、使用する医療機器の添付文書にはカスタムトレーの作製や装着具合の確認などが書かれており、照会文の事業概要と相違があるとして、添付文書に従い適切な方法で使用するよう留意を求めています。つまり回答は、照会どおりの方式をそのまま認めたものではなく、添付文書との食い違いを指摘しています。

条文と、回答に出てこない点

法令条文の記載
歯科医師法 第17条歯科医師でなければ、歯科医業をなしてはならない。
歯科医師法 第29条第1項第1号第17条の規定に違反した者は、3年以下の拘禁刑若しくは100万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。
美容師法 第2条第1項この法律で「美容」とは、パーマネントウエーブ、結髪、化粧等の方法により、容姿を美しくすることをいう。

美容師法第2条の定義に、歯の施術は挙げられていません。回答の読み方として、次の点は回答に書かれていないので、回答から結論を引き出せません。

サロンでの導入を考えるときは、誰が何を塗り、誰が機器を操作するのかを具体的に整理して、管轄の保健所(美容所の担当)と都道府県の歯科医療を所管する課の両方に確認するのが確実です。

よくある質問

セルフホワイトニングは歯科医師法に違反しませんか?

回答は、個別の事例には一概に答えられないとしたうえで、一般論として、歯科医行為に該当する可能性のある行為でも自ら自身の体に対して実施する場合は歯科医師法第17条に違反しないものと考えられる、と書いています。この回答は、歯科医院が処方したジェルを利用者が自分で塗り、自分で機器を操作する事業についてのものです。

サロンの従業員が客の歯にホワイトニング剤を塗ってもよいですか?

回答はこの場合を扱っていません。歯科医師法第17条は歯科医師でなければ歯科医業をしてはならないと定め、美容師法第2条の「美容」の定義に歯の施術は挙げられていません。他人の歯への施術を名指しした通知は確認できていないため、歯科医療の担当課と保健所への確認が必要です。

歯科医院がサロン向けのジェルを処方して販売することは回答で認められていますか?

回答は、歯科医師の診察のもとで過酸化水素を歯面に使用することが患者に適当かを判断して医療機器を渡すのは、療養の向上を目的として交付する行為であると考える、と書いています。患者がそのジェルを使う場所には触れていません。

参照した公式資料

確認日2026-10-15。

次に読むページ