参照した公式資料

結論:条文から言えることと、言えないこと

ピアスの穴あけを美容所のサービスとして行えるかは、2つの法律に分けて考えます。1つ目は美容師法で、美容師でなければ「美容」を業にできません。2つ目は医師法で、医師でなければ「医業」を行えません。本サイトが調べた範囲で、ピアスの穴あけをどちらかの法律の対象と名指しした国の通知・回答は見つかっていません。このため、本サイトは「行える」「行えない」を断定しません。

確認した資料書かれていることピアスとの関係
美容師法第2条第1項「美容」とは、パーマネントウエーブ、結髪、化粧等の方法により、容姿を美しくすること耳たぶに穴をあけることが、この定義の「等の方法」に入るとは書かれていない
医師法第17条医師でなければ、医業をなしてはならない穴あけが「医業」の内容となる医行為に当たるかは、下の判断の枠組みで決まる
最高裁判所 令和2年9月16日決定医行為の意味と、当たるかどうかの判断の枠組み(タトゥー施術は当たらないとされた事例)ピアスの穴あけについて述べた箇所はない

美容師法:「美容」の定義にピアスの穴あけは書かれていない

美容師法第2条第1項は、「美容」を「パーマネントウエーブ、結髪、化粧等の方法により、容姿を美しくすること」と定めています。第6条は「美容師でなければ、美容を業としてはならない。」です。定義の中にある方法は、パーマ、結髪、化粧とそれに類する方法で、皮膚に穴をあけることは文面にありません。

厚生労働省の通知の側も確認しました。美容師による脱毛やピーリングを扱った平成13年の医政医発第105号と、令和7年の医政発0815第21号の本文には、「ピアス」「穿孔」の語はありません(本文を取得して語を検索、確認日2026-10-17。両通知の位置づけは脱毛・ピーリング・HIFUにあります)。

医師法:医行為かどうかは「社会通念」で判断される

医師法第17条は、「医師でなければ、医業をなしてはならない。」と定めています。「医業」の中身である医行為について、最高裁判所は令和2年9月16日の決定で、次の2点を示しました。

この決定が実際に判断したのは、医師でない彫り師によるタトゥー施術です。タトゥー施術は、装飾的・象徴的な要素や美術的な意義のある社会的な風俗として受け止められてきたこと、医学とは異質の知識・技能を要すること、長年にわたり医師免許を持たない彫り師が行ってきた実情があることなどから、医行為に当たらないとされました。

この結論を、そのままピアスの穴あけに当てはめることはできません。決定が述べているのはタトゥー施術についての事情で、ピアスの穴あけの歴史や実情、感染や出血などの危険の程度は、決定の判断の対象になっていないためです。

施術の前に確かめること

自分の施術が医行為や美容に当たるかどうかの判断は、本サイトでは行いません。

よくある質問

ピアスの穴あけに美容師免許は使えますか?

美容師法第2条第1項の「美容」は「パーマネントウエーブ、結髪、化粧等の方法により、容姿を美しくすること」です。ピアスの穴あけを名指しした国の通知は、本サイトが調べた範囲では見つかっていません。皮膚に穴をあける行為は医師法第17条の「医業」に当たるかが別に問題になるため、本サイトは断定せず、管轄の保健所への確認をおすすめします。

医師法第17条の「医行為」はどう判断されますか?

最高裁判所の令和2年9月16日の決定は、医行為を「医療及び保健指導に属する行為のうち、医師が行うのでなければ保健衛生上危害を生ずるおそれのある行為」としました。当たるかどうかは、行為の方法や作用だけでなく、目的、行為者と相手方との関係、具体的な状況、社会での受け止め方なども考慮し、社会通念に照らして判断するとしています。

最高裁のタトゥー決定は、ピアスの穴あけにも当てはまりますか?

決定が判断したのは、医師でない彫り師によるタトゥー施術です。ピアスの穴あけについて同じ結論になるとは、決定の文面からは言えません。本サイトは、この決定をピアスに当てはめて合法・違法を断定しません。

取得・確認の記録: e-Gov法令検索(美容師法第2条・第6条、医師法第17条。取得2026-10-17)、最高裁判所の裁判例検索(令和2年9月16日決定の判示事項・裁判要旨。確認2026-10-17)、厚生労働省の通知2件の本文(語の検索。確認2026-10-17)。

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