参照した公式資料
結論:3条件がそろえば爪切りは原則医行為でない
厚生労働省医政局長通知(平成17年7月26日 医政発第0726005号)は、爪そのものに異常がなく、爪の周囲の皮膚に化膿や炎症がなく、糖尿病等の疾患に伴う専門的な管理が必要でない場合に、爪切りで切ることと爪ヤスリでやすりがけすることを、原則として医師法第17条などの規制の対象とする必要がないと考えられる行為に挙げています(確認日2026-10-12)。
「医行為」は、医師だけができる医療行為のことです。出典は厚生労働省法令等データベースの通知本文です。ここでは条件と原文を示し、個別の施術が適法かどうかは判断しません。
通知の原文:爪切りに関する部分
通知は、医療機関以外の高齢者介護・障害者介護の現場等において判断に疑義が生じることの多い行為のうち、原則として医行為ではないと考えられるものを別紙に列挙しています。爪切りは、別紙の注1に次のとおり掲げられています。
爪そのものに異常がなく、爪の周囲の皮膚にも化膿や炎症がなく、かつ、糖尿病等の疾患に伴う専門的な管理が必要でない場合に、その爪を爪切りで切ること及び爪ヤスリでやすりがけすること
出典: 厚生労働省法令等データベース
| 通知の条件 | 内容 |
|---|---|
| 爪の状態 | 爪そのものに異常がないこと |
| 周囲の皮膚 | 化膿や炎症がないこと |
| 疾患 | 糖尿病等の疾患に伴う専門的な管理が必要でないこと |
| 行為の範囲 | 爪切りで切ること、爪ヤスリでやすりがけすること |
注2は、これらの行為も「病状が不安定であること等により専門的な管理が必要な場合には、医行為であるとされる場合もあり得る」としています。注3は、業として行う場合には実施者に対して一定の研修や訓練が行われることが望ましいとしています。
美容師法・医師法の条文
| 条 | 条文の内容 |
|---|---|
| 美容師法第2条第1項 | 「美容」とは、パーマネントウエーブ、結髪、化粧等の方法により、容姿を美しくすることをいう。 |
| 美容師法第6条 | 美容師でなければ、美容を業としてはならない。 |
| 医師法第17条 | 医師でなければ、医業をなしてはならない。 |
手足の爪の手入れが「容姿を美しくすること」に当たるかどうかは、条文から確定できません。ネイルサロンについては、美容師法上の美容所の規制の対象外として衛生管理の指針が示されています。詳しくはネイルサロンの衛生管理指針のページにまとめています。
通知が定める注意点(注2・注3)
| 論点 | 通知の記載 |
|---|---|
| 専門的な管理が必要な場合 | 病状が不安定であること等により専門的な管理が必要な場合には、医行為であるとされる場合もあり得る(注2) |
| 業として行う場合 | 実施者に対して一定の研修や訓練が行われることが望ましい(注3) |
提供するメニューが医行為に当たるか迷うときは、所管の保健所に確認する方法があります。個別の施術が適法かどうかは、爪や皮膚の状態によって変わるため、本サイトでは判断しません。
取得・確認の記録: 厚生労働省医政局長通知「医師法第17条、歯科医師法第17条及び保健師助産師看護師法第31条の解釈について」(平成17年7月26日 医政発第0726005号。厚生労働省法令等データベース掲載の本文)、e-Gov法令検索「医師法」(昭和23年法律第201号)第17条、同「美容師法」(昭和32年法律第163号)第2条・第6条(確認日2026-10-12)。令和4年12月1日 医政発1201第4号の別紙には、爪切りの項目を確認できなかった。
よくある質問
爪切りは医行為に当たりますか?
平成17年7月26日の医政発第0726005号は、爪そのものに異常がなく、爪の周囲の皮膚にも化膿や炎症がなく、糖尿病等の疾患に伴う専門的な管理が必要でない場合に爪切りで切ることと爪ヤスリでやすりがけすることを、原則として医師法第17条の規制の対象とする必要がないと考えられるとしています。
爪の周囲に炎症や化膿がある場合も、爪切りは医行為でなくなりますか?
通知は、爪の周囲の皮膚に化膿や炎症がないことを条件に挙げています。爪そのものに異常がない場合、周囲の皮膚に化膿や炎症がない場合、糖尿病等の疾患に伴う専門的な管理が必要でない場合の3つがそろったときに、爪切りで切ることと爪ヤスリでやすりがけすることが対象です。
3つの条件を満たしていても、医行為とされる場合はありますか?
通知の注2は、病状が不安定であること等により専門的な管理が必要な場合には、医行為であるとされる場合もあり得るとしています。
業として爪切りをする場合、通知は何を求めていますか?
通知の注3は、業として行う場合には実施者に対して一定の研修や訓練が行われることが望ましいとしています。個別の施術が適法かどうかは、本サイトでは判断しません。
角質除去・巻き爪・魚の目のケアも、爪切りと同じ通知の対象ですか?
通知の本文(確認日2026-10-23)で爪に関して掲げられているのは、爪を爪切りで切ることと、爪ヤスリでやすりがけすることです。角質除去、巻き爪、魚の目のケアは、通知には書かれていません。書かれていないことから、医行為である、またはないとは言えないため、本サイトでは判断しません。ネイルサロンでの扱いはネイルサロンの衛生管理指針のページで確認できます。
次に読むページ
- ネイルサロンの衛生管理と美容所の関係:ネイルサロンの衛生管理指針
- 医師法17条違反とされた行為との対応:育毛・スカルプケアと医師法17条
- 施術ごとに確認できた範囲を見たいとき:施術×職種 境界マップ
- 免許ごとの業務範囲を比べたいとき:免許別の業務範囲の比較