結論:無料でも「業」に当たりうる
確認日は2026-10-12です。原文で確かめられたことは次の4点です。
- 美容師法第7条は、美容師は美容所以外の場所で美容の業をしてはならないが、政令で定める特別の事情がある場合は除く、としています。
- 厚生労働省が令和8年3月26日に公表した157自治体への調査結果では、条例・内規等で「災害等の発生により避難所に避難している者」を対象にしている自治体が27ありました(出張・訪問美容が認められる条件に表があります)。
- 岡山市は、理容所・美容所以外で施術できる場合の一つに「災害等により避難所等に避難している方」を挙げています。
- 厚生労働省の「美容師法概要」は、「業とは反復継続の意思をもって行うことで、有料・無料は問わない」と書いています。
つまり国の概要は、無償であることだけで「業」から外れるとは説明していません。一方、災害時の無償ボランティアを名指しして扱った国の通知・事務連絡は、厚労省のページや自治体5件(岡山市・豊中市・吹田市・仙台市・長野県)の案内を調べても見つかりませんでした。個別の活動が「業」に当たるかどうかは、このサイトでは判断しません。
美容師法の条文(第6条と第7条)
第六条 美容師でなければ、美容を業としてはならない。
第七条 美容師は、美容所以外の場所において、美容の業をしてはならない。ただし、政令で定める特別の事情がある場合には、この限りでない。
出典: 美容師法(e-Gov法令検索)。条文は「業としてはならない」と書いており、対価の有無は条文からは読み取れません。厚生労働省の概要は次のとおり説明しています。
業とは反復継続の意思をもって行うことで、有料・無料は問わない。
出典: 厚生労働省「美容師法概要」(1 定義)。個別の活動が「業」に当たるかどうかの判断は、このサイトでは行いません。
岡山市の案内の原文(避難所の位置づけと届出)
岡山市の令和8年版のリーフレットには、次のように書かれています。
理容・美容行為ができる場合 ➀ 疾病その他の理由により、理容所・美容所に来ることができない方 ② 留置施設、拘置所、刑務所等に収容されている方 ③ 社会福祉施設等に入所している方 ④ 婚礼その他の儀式に参列する方(その儀式の直前に行うものに限る。) ➄ 災害等により避難所等に避難している方 ⇒ ①から③ に該当する場合は、あらかじめ届出を行ってください。
出典: 岡山市「出張理容・出張美容について(リーフレット)」、同市の案内ページ。岡山市の案内では、届出を求めているのは①から③に該当する場合で、⑤の避難所は届出の対象として書かれていません。他の自治体の扱いは同じとは限りません。
場面別の整理表
| 場面 | 扱い | 根拠 |
|---|---|---|
| 美容を業とする | 美容師であることが必要 | 美容師法第6条 |
| 美容所以外の場所で美容の業をする | 原則禁止。政令で定める特別の事情がある場合は除く | 美容師法第7条 |
| 無償で行う場合 | 厚労省の概要は「業」は有料・無料を問わないと説明。個別の活動の該当性は判断しない | 厚生労働省「美容師法概要」 |
| 避難所に避難している人への施術 | 157自治体のうち27自治体が、条例・内規等で対象にしている | 厚生労働省の調査結果(令和8年3月26日公表) |
| 岡山市での避難所の施術 | 施術できる場合の一つに挙げられ、届出を求める対象(①から③)には含まれていない | 岡山市のリーフレット |
| 災害時の無償ボランティアを名指しした国の扱い | 未確認(見つかっていない) | 通知・事務連絡は確認できていない |
このページで確認していないこと
- 無償・寄付のみ・実費のみの個別の活動が「業」に当たるかどうか(厚労省の概要は有料・無料を問わないと書くだけで、災害時の無償ボランティアを名指しした通知は確認できていません)。
- 避難所での施術について、国が示している手順や、自治体ごとの届出・承認の有無(調査結果は対象に含む自治体数を示すだけで、手順を示していません)。
- 免許を持たない人が避難所で行う行為。第6条のとおり、美容を業とするには美容師であることが必要です。
実際に避難所で活動する場合は、避難所を開設している市町村と、その地域の保健所に、事前に確認してください。
よくある質問
避難所での無償の散髪は、出張の例外に当たりますか?
岡山市の案内は、災害等により避難所等に避難している方を、理容所・美容所以外で施術できる場合に挙げています。国の調査結果でも27自治体が条例・内規等で対象にしています。ただし対象かどうかは自治体ごとに異なるため、避難所を開設する市町村と保健所に確認してください。
無償なら美容師法の「業」に当たりませんか?
美容師法第6条・第7条は「業としてはならない」と書き、対価の有無は条文からは読み取れません。厚生労働省の「美容師法概要」は「業とは反復継続の意思をもって行うことで、有料・無料は問わない」と書いており、無償であることだけで外れるとは説明していません。災害時の無償ボランティアを名指しした通知は確認できなかったため、個別の活動への当てはめは断定しません。
避難所での施術にも届出は必要ですか?
岡山市の案内は、届出を求める場合を疾病等で来られない方・収容されている方・社会福祉施設の入所者に限り、避難所は届出の対象として書いていません。他の自治体は異なることがあるため、保健所に確認してください。
美容師免許を持たない人が、避難所で髪を切ってもよいですか?
美容師法第6条は「美容師でなければ、美容を業としてはならない」と定めています。免許を持たない人の避難所での行為が「業」に当たるかどうかを書いた国の通知は確認できなかったため、このサイトでは断定しません。活動前に避難所を開設する市町村と保健所に確認してください。
関連ページ
- 対象となる人の一覧と157自治体の調査結果:出張・訪問美容が認められる条件
- 届出・承認が要るかの確認の流れ:出張・訪問美容の届出・承認
参照した公式資料
- 美容師法第6条・第7条(e-Gov法令検索)
- 岡山市の出張理容・出張美容の案内
- 厚生労働省「美容師法概要」
- 厚生労働省「出張理容・出張美容に関する調査結果」(令和8年3月26日公表)
2026-10-12確認。