美容室はどの区分か:別表第一(15)項「その他の事業場」

消防法施行令の別表第一は、防火対象物を(1)項から(20)項に区分します。東京消防庁の「第3 政令別表第1に掲げる防火対象物の取扱い」(消防庁の通知を基にした取扱い基準)は、(15)項を「(1)項から(14)項までに掲げる防火対象物以外の事業場」とし、該当する用途の例に「理容室、美容室」を挙げています。同じ表の補足事項には「住宅は、本項に含まれないものであること」とあります。

消防法施行令の条文には「美容」の語がなく(e-Gov検索、確認日2026-10-17)、美容室が(15)項に当たることは、この取扱い基準の例示から読み取れます。なお同じ表は、(4)項(百貨店など)や(5)項イ(ホテルなど)の欄にも美容室・理容室の語を載せています。商業施設やホテルの中に入る場合は、建物全体の区分が関わるため、このページでは扱いません。

条件の早見:(15)項の数値

項目条件(原文)根拠
防火管理者を定める(15)項は収容人員が50人以上のもの消防法第8条第1項、施行令第1条の2第3項第1号ハ
収容人員とは防火対象物に出入し、勤務し、又は居住する者の数。算定方法は総務省令で定める施行令第1条の2第3項第1号イ・第4項
防火管理者を定めたとき遅滞なく所轄消防長又は消防署長に届け出る。解任したときも同様消防法第8条第2項
消火器具を設置する(15)項は延べ面積が300平方メートル以上のもの。ほかに地階・無窓階などの定め(第5号)や少量危険物の定め(第4号)がある施行令第10条第1項第3号
設置工事の届出と検査(15)項で延べ面積300平方メートル以上のうち、消防長又は消防署長が火災予防上必要があると認めて指定するもの。簡易消火用具と非常警報器具は対象外消防法第17条の3の2、施行令第35条第1項第3号・第2項
設置届の期限検査を受ける場合、工事が完了した日から4日以内に届け出る施行規則第31条の3第1項

防火管理者の条件が収容人員50人以上なので、客と従業者を合わせた数がこれを下回る小さな店では、防火管理者の選任の条件に当たらない読み方になります。ただし、収容人員の数え方は総務省令で決まっており、このページでは確認していません。

消防署の検査:消防法第17条の3の2と施行規則第31条の3

消防法第17条の3の2は、政令で定める防火対象物の関係者が消防用設備等を設置したとき、その旨を消防長又は消防署長に届け出て、検査を受けなければならないと定めます(e-Gov、確認日2026-10-28)。美容室で検査の対象になるのは、上の表のとおり、(15)項で延べ面積300平方メートル以上のうち消防長又は消防署長が指定するものです。

検査の対象になるかどうかは個別に決まるため、設備工事の前に所轄の消防署へ確認してください。

原文だけでは決められないこと

美容師法上の開設の届出は保健所、消防は消防署と窓口が別です。物件が決まった段階で、図面を持って所轄の消防署に確認してください。

よくある質問

美容室は消防法で何の区分になりますか?

東京消防庁の取扱い基準は、消防法施行令別表第一(15)項「その他の事業場」の該当用途の例に、理容室・美容室を挙げています。施行令の条文自体に「美容」の語はありません。商業施設やホテルの中の店は、建物全体の区分が関わります。

美容室に防火管理者は必要ですか?

消防法施行令第1条の2第3項は、(15)項の建物のうち収容人員が50人以上のものを、防火管理者を定める対象としています。収容人員は、出入し、勤務し、居住する者の数で、算定方法は総務省令が定めています。個別の要否は消防署にご確認ください。

美容室に消火器は必要ですか?

消防法施行令第10条第1項第3号は、(15)項の建物のうち延べ面積が300平方メートル以上のものに、消火器具の設置を求めています。300平方メートル未満でも、地階・無窓階などに当たる場合の定め(第5号)があります。

美容室の開業で、消防署に出す届出や検査はありますか?

確認できた範囲では、防火管理者を定めたときの届出(消防法第8条第2項)と、検査の対象になる消防用設備等の設置工事が完了した日から4日以内の届出(施行規則第31条の3)があります。市町村の火災予防条例の届出は、今回は確認していません。

参照した公式資料

消防法施行令別表第一(15)項の取扱い基準と、施行令第1条の2・第10条・第35条、施行規則第31条の3の原文を照合。施行令の条文に「美容」の語がないことをe-Govで確認。確認日: 2026-10-17。最終確認日: 2026-10-17。

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