参照した公式資料
- e-Gov法令検索「生活衛生関係営業の運営の適正化及び振興に関する法律」
- 全国生活衛生営業指導センター「標準営業約款登録申請書(美容業)」
- 厚生労働省 第30回厚生科学審議会生活衛生適正化分科会 資料7
- 東京都保健医療局「標準営業約款(Sマーク)」
標準営業約款とは何か
標準営業約款は、生活衛生関係営業の運営の適正化及び振興に関する法律(以下「生活衛生営業法」)に基づく仕組みです。第57条の12第1項は、全国生活衛生営業指導センター(全国指導センター)が、厚生労働大臣が指定する業種について、利用者や消費者の選択の利便を図るため、厚生労働大臣の認可を受けて約款を定めることができると書いています。
第五十七条の十二 全国指導センターは、厚生労働大臣が指定する業種について、当該業種ごとに、利用者又は消費者の選択の利便を図るため、厚生労働大臣の認可を受けて、当該業種に係る営業方法又は取引条件に関しおおむね次の各号に掲げる事項を内容とする約款(以下「標準営業約款」という。)を定めることができる。(各号は略。役務の内容又は商品の品質の表示の適正化、施設又は設備の表示の適正化、損害賠償の実施の確保に関する事項)
出典: 生活衛生関係営業の運営の適正化及び振興に関する法律(e-Gov法令検索)第57条の12
美容業に関する標準営業約款の変更は、平成30年10月31日の厚生科学審議会生活衛生適正化分科会(第30回)の資料7で示されています。変更の概要として、施術内容と料金の表示、美容師の表示(氏名、指名料がある場合はその額を必須とし、写真や仕上がり例などは努力義務)、衛生管理に関する研修・講習の受講、地域社会に対する取り組みなどが挙げられています。料金や施術メニューの広告について美容師法に規定があるかは、美容所の広告に美容師法の規制はあるかで扱っています。
美容室の「Sマーク」とは:標準営業約款の登録店が掲げる標識
美容室の入口などで見かける「Sマーク」は、この標準営業約款の登録を受けた店が掲げる標識の通称です。東京都保健医療局の案内によると、Sマークは Safety(安全)、Sanitation(清潔)、Standard(安心)の頭文字で、対象業種は理容業、美容業、クリーニング業、めん類飲食店営業、一般飲食店営業の5業種です。登録の申請先は各都道府県の生活衛生営業指導センターで、東京都では公益財団法人東京都生活衛生営業指導センターが窓口です。審査で登録された店は、Sマークと約款の要旨を掲示します。
この東京都の案内ページには、登録期間と手数料の記載がありません。手数料や手続きの細部は、営業する都道府県のセンターに確認してください(東京都の案内ページの確認日2026-10-18)。
登録の仕組み:開設の届出との違い
標準営業約款に従って営業したい美容所は、都道府県の生活衛生営業指導センター(都道府県指導センター)に登録を申し出ます。第57条の13第1項は、申出があったときに登録を行うことができると書き、第2項は、登録を受けた者が全国指導センターの定める様式の標識と、約款の要旨を施設に掲示するものとしています。
| 比べる点 | 美容所の開設の届出 | 標準営業約款の登録 |
|---|---|---|
| 根拠の法律 | 美容師法第11条 | 生活衛生営業法第57条の13 |
| 窓口 | 都道府県知事(保健所) | 都道府県の生活衛生営業指導センター |
| 性格 | 美容所を開くために行う届出 | 約款に従って営業しようとする旨の申出に基づく登録(「登録を行うことができる」と書かれている) |
| 掲示物 | 美容所の掲示・備え付けは美容所の掲示・備え付けで整理 | 全国指導センター所定の標識と、約款の要旨(第57条の13第2項) |
標識については、登録を受けていない者が標識またはこれに類似する標識を掲げることを、第57条の13第4項が禁じています。開設の届出は美容所を開く前提の手続きで、標準営業約款の登録はその後に任意で申し出る別の手続き、と整理できます。開設の届出の中身は美容所の開設の届出・構造設備の確認・管理美容師で扱っています。
登録の期間
厚生労働省の上記資料(資料7の参考ページ)には、登録期間は3年で、登録営業者が引き続き登録を継続する場合の有効期間は5年、と書かれています。登録の取消しなど細部は、第57条の13第7項により厚生労働省令に委ねられています。省令の条文と、各都道府県指導センターの申請手数料や審査の手順は、このページでは確認できていません。
登録申請の必須事項と、本サイトの関連ページ
全国生活衛生営業指導センターが公開している美容業の登録申請書は、約款に従った営業の取り組みを確かめる「チェックシート」を添付書類にしています。シートの「必須事項」(取り組んでいることが登録の条件とされる事項)のうち、本サイトに対応するページがあるものを並べます。約款の条項番号は、このシートからは確かめられていません。
| チェックシートの必須事項(要旨) | 本サイトの関連ページ |
|---|---|
| お店の過失による事故の場合、別途定める「美容所事故賠償基準」にもとづき損害賠償を行い、確実に行うため損害賠償保険に加入する(保険証の写しを添付) | 施術事故の損害賠償責任と賠償保険の確認先 |
| 「美容施術処理基準」の遵守。同基準の「カルテの作成」は、氏名・住所・日付などと施術結果の記載を求める | 美容所での客の個人情報の扱い(予約台帳・カルテ・施術写真) |
| 「美容施術処理基準」の「衛生管理」。厚生省局長通知の衛生管理要領や美容師法施行規則の遵守を含む | 理容所・美容所の衛生管理要領 |
| 同じく「衛生管理」の、管理美容師による従業者の伝染性疾病のり患の確認 | 美容師の感染症と就業制限 |
施術メニューと料金の表示、美容師の氏名の表示、衛生管理の研修・講習の受講などの必須事項は、対応する本サイトのページがまだありません。出典は、全国生活衛生営業指導センターの標準営業約款登録申請書(美容業)を2026-10-12に取得して確認しました。
押さえておくこと
- 標準営業約款の登録は、美容師法の開設の届出とは別の制度で、根拠法(生活衛生営業法)も窓口(都道府県指導センター)も違います。
- 登録は営業者の申出に基づくもので、法の文言は「登録を行うことができる」です。
- 登録を受けた者は標識と約款の要旨を掲示し、登録のない者は標識やこれに類似する標識を掲げられません。
- 登録を受けても、開設の届出を省けるとはどの条文にも書かれていません。
確認できていないこと
- 登録の申請手数料、必要書類、審査の流れ(都道府県ごとに異なる可能性があります)。
- 登録の取消しなど、省令で定める事項の条文。
- 現行の美容業の標準営業約款の全文。このページが原文で確かめたのは平成30年の変更の概要資料です。
条文は、e-Gov法令検索の生活衛生営業法(昭和32年法律第164号)を2026-10-12に取得して確認しました。変更の概要は、厚生労働省の資料(第30回厚生科学審議会生活衛生適正化分科会 資料7)を同日に取得して確認しました(確認日2026-10-12)。
よくある質問
標準営業約款の登録は、美容所の開設の届出の代わりになりますか?
代わりにはなりません。美容所の開設の届出は美容師法第11条に基づき都道府県知事へ行うものです。標準営業約款の登録は、生活衛生営業法第57条の13に基づき、約款に従って営業しようとする者が都道府県の生活衛生営業指導センターへ申し出て受けるもので、根拠法も窓口も別です。登録を受けても開設の届出は省けないと読めますが、個別の扱いは保健所に確かめてください。
標準営業約款に従って営業するのは義務ですか?
生活衛生営業法第57条の13第1項は、約款に従って営業を行おうとする旨の申出があったときに、登録を行うことができると書いています。登録は申出に基づくもので、すべての美容所に義務づけるとは書かれていません。
登録の標識は、登録していない美容所も掲げてよいですか?
生活衛生営業法第57条の13第4項は、登録を受けていない者が標識またはこれに類似する標識を掲げることを禁じています。登録を受けた者は、標識と約款の要旨を施設に掲示するものとされています(同条第2項)。
次に読むページ
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- 美容所で掲示・備え付けるものを確かめたいとき:美容所の掲示・備え付け
- 美容所の義務を一覧で見たいとき:美容所の義務の早見表
- 業界団体(生活衛生同業組合)への加入を確かめたいとき:美容業の生活衛生同業組合の加入(任意)・事業・脱退
- 免許と美容所の手続き全体:免許と美容所の手続き一覧